内容説明
早乙女秀一の家に派遣されてきた「マナブ」は、30世紀の未来から送り込まれた人間型ロボットだった。人間の心を必死に宿そうとするロボット「マナブ」の姿に、秀一は、いつしか見失いかけていた大切なものを取り戻す。しかし、任務が終われば、マナブは亜空間へと消えてゆく。人間とロボットの固く結ばれたきずなが心を揺さぶる。30世紀のテクノロジーと21世紀の人間ドラマが織りなす感動の物語。
著者等紹介
平田芳久[ヒラタヨシヒサ]
1962年、大阪府生まれ。1984年、大阪工業大学工学部卒。公務員、出版社勤務を経て、住宅リフォーム会社を設立。社長業の傍ら執筆した小説が、「ユートピア文学賞2006」に入賞。受賞作『LINK きずな』は処女作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あつひめ
80
ユートピア文学賞受賞作。30世紀からきたロボットは、現代では想像できないほど人間に近い。でも、もしかしたら21世紀でも一般人には知らされないところで人間に近いロボットは息づいているかもしれない?30世紀の人間はこんなに高度なロボットを作り出せるほど人類は賢くなっているのだろうか。20世紀よりも人は機械には強くなり便利を求めるようになったけれど人の心の繋がりは希薄になっている。修一とマナブの関係は1年。でも、1年以上の濃さがある。ロボットの育成を通して人の心の育成が進んだ1年。勇気をもらった気がする作品。2013/03/17