出版社内容情報
本書は、工学博士でエンジンの権威である著者が、国内外の博物館や所蔵元を訪ね、ヨーロッパ、アメリカ、日本で開発された新旧の自動車用、航空用、舶用、戦車用、機関車用、産業用、汎用まで広く、時代を築いた名作エンジンと迷作とも呼べる個性的なエンジンを選んで調査。そのエンジンの誕生と技術的・時代的背景を詳細なイラストとともに解説する。
【目次】
序文 過去の技術に学ぶ大切さ/飯島晃良(日本大学理工学部教授)
はじめに
■草創期
第1章
人類が火を手に入れた
エンジンの原点はプロメテウス?
第2章
水くみを命じられて作った人類初のエンジン
ホイヘンスのエンジン
第3章
まるで近代芸術の奇妙なオブジェ
セイヴァリエンジン
第4章
初の実用内燃機関の燃料はシダ植物の胞子
ニエプスのエンジン
■産業用
第5章
天秤棒を用いてポンプを作動
ニューコメンエンジン
第6章
55トンの天秤棒を付けた
ワットの蒸気エンジン
第7章
初めて商品となった内燃機関
ルノワールのエンジン
第8章
石油に替えて石炭で回した
ディーゼルエンジンとジェットエンジン
■自動車用
第9章
高速2輪馬車
チャリオット
第10章
あっちこっちから悪口の的となった
キュニョーの蒸気自動車
第11章
ボイラーマン泣かせ
蒸気バスエンジン
第12章
創業から終焉まで空冷で押し通した
フランクリン
第13章
R・ディーゼルが作れなかったディーゼル自動車
ザフィアエンジン
第14章
フランス陸軍が発想した
木炭自動車
第15章
ラバウルで捕えられてジープに見染められ?
ガス電L型エンジン
第16章
ディーゼル乗用車の日本初
アカデミックエンジン
第17章
ニューヨークバス・ラプソディーを奏でた
GMエンジン
第18章
木曽谷の奥で待っていた
帝国陸軍の軍用車エンジン
第19章
玉座に座り損ねた
DB52 100式エンジン
第20章
ガス電(日野重工)の有終の美を飾った
V形12シリンダーディーゼルエンジン
第21章
放浪の果て親に巡り会えたが、再び放浪の旅に消えた
ヒノサムライのエンジン
第22章
偉大な技術者の躓き
ケタリングと本田宗一郎
第23章
一気に30%の燃費向上を果たした
日野EP100エンジン
第24章
お役人のひとことが生んだ世界初
高圧コモンレール燃料噴射システム
■航空用
第25章
正道を駆け上がり、奇想天外ぶりを発揮した
クレマン・アデァ
第26章
設計者と一緒にポトマック川に投げ込まれた
マンリーのエンジン
第27章
ないない尽くしの世界初アルミエンジン
ライト兄弟のエンジン
第2