内容説明
日本が戦後の荒廃から復興しつつあった時代、三菱は米国ウイリスオーバーランド社と提携してジープの製造権を得た。対してトヨタはランドクルーザー、日産はパトロールを自社開発、そしていすゞも全輪駆動車を製造した。そして国産のジープタイプ車たちは日本の悪路を雄々しく駆け、わが国の発展におおいに貢献したのである。
目次
戦前・戦中における四輪駆動車の開発(戦後の日本で強烈な印象を与えたジープ;第一次世界大戦と自動車 ほか)
三菱ジープの誕生とその進化(朝鮮戦争勃発による変化と国産化;ジープ以前の三菱による技術提携 ほか)
トヨタランドクルーザーの誕生とその輸出(特需の恩恵とトヨタジープの開発;トヨタジープBJ型の発売 ほか)
日産パトロールの誕生とその活躍(日産パトロールの開発スタート;日産パトロールの市販開始 ほか)
いすゞの全輪駆動車の誕生(大型トラックメーカーとしての地位の確立;六輪駆動車TW型の開発 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えすてい
11
米軍のジープを、占領期から警察予備隊→保安隊右自衛隊の発足へと流れ、国産全輪駆動車の生産ライセンスとノウハウを経て、量産、市販へと繋がっていく流れを三菱ジープを軸に見ていく。米軍ジープを開発したウイリスオーバーランド社からライセンスとノウハウを得た三菱は「ジープ」の名前で国内用に生産販売していく。最初は左ハンドルだったが途中で右ハンドルに変わる。三菱ジープは後のパジェロに繋がっていくが、パジェロの後のモデルには触れられず。トヨタ、日産も同様の車を作りトヨタは後にランドクルーザーになっていく。2021/05/31
うえ
8
戦前から81年頃までのジープ開発の歴史。「トヨタが海外のメーカーと提携せずに国産乗用車を開発する方針を立て、トヨペットクラウンの開発をスタートさせたのは1952年1月のことで、この頃から日本でもメーカー間の競争が激しくなる気配を見せる…トヨタジープの生産と販売が細々と始まったが、三菱がウイリスオーバーランド社との提携により国産化を開始し、日産でもパトロールを販売し、期せずして同型車両が市場に出てきた。そのため、消防自動車の分野を例にとっても、各地の消防署への売り込みが各社の間で同時に行われることもあった」2023/06/10
-
- 洋書
- Cleopatra