内容説明
博物館の航空機は、歴史の証人である。それらは、かつて自らが日本の空を飛んだ時代の社会を、観る人に雄弁に語りかけてくれる。だからこそ航空博物館は、ありのままの姿を保存し、展示するのである。本書では、日本最大規模の航空博物館を、強い信念と行動力で苦難を乗り越え、つくりあげるまでの経緯と、その後の博物館の歩みが、創設当時の実務者によって詳細に語られる。
目次
なぜ私が博物館をつくることになったのか
博物館はこうして形になった
ついに博物館がオープン
博物館に展示する航空機が決まるまで
スミソニアン航空宇宙博物館を訪ねる
博物館にふさわしい修復・復元をめざして
飛行機の復元
開館後に収集された機体
迷走する博物館
修復ポイントという視点〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごいんきょ
8
博物館の仕事って大変な苦労があるんですね。2019/06/09
ひびキング
4
数年前に知覧で見た飛燕は班目迷彩だったなぁ。官民ボランティアまで巻き込んだ熱意に溢れた物語を追体験できた。私も全く異なるシチュエーションではあるが熱意あるお役所仕事に触れたことがあるので、そういったお役所仕事の良い面が描かれている。芦屋基地で見た退役F-1の行く末を気にしながら、因幡の白兎を見にかかみがはらに行きたい気持ちになる。その時にはこの本に著された一機一機のエピソードを思い出したい。2018/10/05
buchi
2
岐阜の航空宇宙博物館を創った方のお話。物凄く面白い!展示する飛行機の選定はどうやったのか?どうやってそれを入手するのか?飛行機といえば、デカイし高い。ましてや国家機密である自衛隊機となれば尚更でしょう。その辺からでも用意にその難しさは想像できるが、ここまで苦労されたとは。飛行機を文化財をして遺して行くための並々ならぬこだわりには頭が下がる。文化財を保護するとはどういうことか、遊園地と博物館はどう違うのか?そのギャップをお客さんに分かって貰うのはどうすればいいのか?博物館の経営の難しさ、色々考えさせられた。2018/09/12
ぞだぐぁ
1
かかみがはら航空宇宙博物館を立ち上げて運営のはじめのころを担った人の書いた本。博物館学を学んでいたので保存と展示、どの時点の姿で復元するかと言うジレンマが心に刺さった。実際行ったら「操縦席に座れる!」と聞いたら喜んでしまうのだけども、保存と言う事を考えればそうだし、母校の博物館が展示物を触れることをアピールしているので悩んでしまう。館の売店で売っていたので買って読んだ。2018/10/26