内容説明
東京・麹町、日本一の塗装と名高い「わたびき自動車」には、いろいろな車と人がやってくる。塗装職人として腕を磨くなかで出会った数々の名車とのエピソードと、修理にくる当時の人々との楽しくもせつない交流を綴る。車を軸にして描いた体験的戦後史。
目次
少年時代のハイヤー、バス、軍用車
悲しい車、戦時規格型トラック
日本の負けた日
アメリカ文化センターにかよった日
コンチネンタルが焼跡によみがえった日
焼跡のカロッツェリア
大日本帝国のトヨペット・スーパー
地味な打撃王とオースチン
フル・オープンのジープ、そして苦い悔恨のMGと
ぼくにとってのロールスロイス〔ほか〕
著者等紹介
中沖満[ナカオキミツル]
1932年(昭和7年)東京・麹町生まれ。番町小学校、麹町高等国民学校、旧制九段中学中退。1948年9月、わたびき自動車工業株式会社に入社。塗装職人として34年間勤めた後、1983年からフリーのライターとして活躍。1975年に「浅間ミーティング・クラブ」を有志とともに設立し、初代理事長を務める。1989年には長野原町に二輪車博物館として「浅間記念館」を開館するなど、32年間にわたりクラブの活動を支えた。2007年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Humbaba
7
どれほど権力を持った人間であっても、他者が身につけた技術を奪い取ることはできない。道具や環境が恵まれていないとしても、それによって必ずしも良い仕事ができないとはならない。そのような厳しい環境でも、必死に技術を磨けば素晴らしい仕事も出来るようになる。2016/09/14
とす
2
どのようにしてこの本をみつけたかは忘れたが、車に関する本だと思って手に取った。思っていたより古い世代の話で、車自体の話はついていけないところが多かった。きっと自動車博物館にあるような車の話なのだろうと思いながら読み切った。2018/09/04