内容説明
バスは最も身近な、地域に密着した公共交通機関である。それは間違いないはずだが、ここ20年以上の長きにわたって、利用者は減少し、その経営は圧迫されてきている。このまま何もせずに推移すると、バス交通を維持すること自体が困難となりかねない。そうなったときにしわよせが行くのはこれから増える一方の高齢者であり、子供や障害者など自分の思うとおりにマイカーなどを操れない人たちであるということを、今みんなが考え、行動しなければなるまい。短期間で一気に、ドラスティックに好転させる施策はめったにない。明日が今日よりも半歩か一歩よくなることをめざして、地に着いた取り組みを続けることが必要だと思われる。本書は、そのための手がかりともなれば、という思いもこめて、路線バスのさまざまな姿を、事例中心にまとめたものである。
目次
第1章 路線バスは今
第2章 バス車両のこれから
第3章 地域のアクセスを高めるバス
第4章 バスの利便性・快適性アップ大作戦
第5章 都市間高速バスの魅力アップ
第6章 乗車制度の改善による新サービス
著者等紹介
鈴木文彦[スズキフミヒコ]
1956年山梨県生まれ。東北大学理学部卒業・東京学芸大学大学院(地理学)修了。フリーの交通ジャーナリストとして雑誌「鉄道ジャーナル」「総合交通」などにレギュラーとして執筆するほか、「運輸と経済」「バスジャパン・ハンドブック」「モビリティ」「旅」などにバス・鉄道に関する論文・取材記事多数。近年は地方自治体やバス事業者におけるアドバイザーや講演活動も行なうほか、運輸省の汎用電子乗車券関係や国土庁の中山間地域の交通に関する委員会委員なども務める。著書に「高速バス大百科」「次世代交通カード革命」「日本のバス年代記」など。日本バス友の会企画部長
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