出版社内容情報
今老人介護では、施設での処遇が細やかになっているよかのように見える。「進歩的」な人たちが提唱する個室・ユニットケアがその筆頭だが、制度や建物が介護の質には結びつかない。必要なのは共同性をいかに醸成させるかにかかっているという警告の書。
【講演】 施設ケアの醍醐味を手放すな
【パネルディスカッション】 ユニットケアを乗り切る現場の知恵と勇気
(コーディネーター)高口光子
(パネラー)若山ひとみ(亀山老人保健施設)
東 三登子(山田赤十字老人保健施設虹の苑)
【対談】 老人介護はどこに行くのか-小規模ユニットの落とし穴
三好春樹×高口光子
三好 ユニットケアがちゃんと共同体になっていくためには、一つは具体的な介護の方法論とその積み重ね。もう一つは共同体が閉鎖的になって腐っていかないように〈負荷〉がいるということなんだね。
高口 ユニットケアやグループホームが気持ち悪いのは、年寄りから望まれたものではなく、規則や形からつくられた共同体だから。共同体は、俗にいうめぐりあいだとか偶然性や非日常をきっかけにしてつくられていくもの。・・・・・・きちんとした見守りや負荷がないと、とんでもない方向にいったり、崩壊する。(対談より)
内容説明
ア・プリオリに、いい共同性が成立するわけはない!施設ケアはどこにいくのか!?講演とパネルディスカッション、三好春樹との対談を通して現状を撃つ。
目次
講演 施設ケアの醍醐味を手放すな
パネルディスカッション ユニットケアを乗り切る現場の知恵と勇気(コーディネーター・高口光子、パネラー・若山ひとみ(亀山老人保健施設)、東美登子(山田赤十字老人保健施設虹の苑))
対談 老人介護はどこに行くのか―小規模・ユニットの落とし穴(三好春樹×高口光子)
著者等紹介
高口光子[タカグチミツコ]
1982年、福岡県にある老人病院で理学療法士としてのスタートを切り、老人病院における生活ケア・生活リハビリの実践に取り組む。1995年、熊本市の特養ホームにヘッドハンティング。より老人の生活に密着した現場を求めての決断だったが、理学療法士から寮母への転身ということで、この業界ではかなり話題を集めた。2002年、特養ホームを退職し、静岡県富士市にある「介護老人保健施設ききょうの郷」の経営管理本部企画教育推進室室長に就任すると共に、介護アドバイザーとしての活動も開始。現場・講演・執筆…と、超忙しい毎日を送る
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