出版社内容情報
福岡県飯塚市でこの体罰死事件が起きたのが1995年。3年余をかけた本書は、膨大な裁判資料に加え、同級生、学校関係者、市民らの証言を丹念に掘り起こすことで、学校や教師、地域が抱え込むものを浮かび上がらせた
一章 事件発生
二章 体罰死
三章 噂の孵化
四章 暴力の学校
五章 噂の培養基
六章 控訴審
七章 噂の深部
八章 追悼
九章 対談・学校と共同体の位相(藤井誠二・芹沢俊介)
私は小学校から高校時代を通じて、幾度か教員に体罰をふるわれた記憶がある。そのすべては覚えていないが、中学時代に体育教員から受けた体罰がもっともひどいものだった。たんこぶができるほどの力で頭部を殴られたり、頬をひっぱたかれ奥歯がかみ合わなくなったこともある。叩かれる理由は、体育館からの退去が遅いとか、服装が校則に違反しているというものだった。それでも当時は「悪いことをしたから叩かれるんだ」と自分を納得させていた。しかし教員の分厚い掌が飛んできたり、小岩のような拳骨が落ちてきたとき、恐怖と屈辱で身体中が熱くなった感覚は今でも覚えている。(抜粋)
福岡県飯塚市で起こった女子高生校門圧死事件のルポルタージュ。事件発生から、事件にたいする地域の人間の信じがたい反応を足でレポートする。
内容説明
体罰死した女子高校生の遺族は事件後、地域の悪質なデマに包囲された。事件の真相に鋭く迫る怒りのルポルタージュ。
目次
1章 事件発生
2章 体罰死
3章 噂の孵化
4章 暴力の学校
5章 噂の培養基
6章 控訴審
7章 噂の深部
8章 追悼
9章 『対談』学校と共同体の位相(藤井誠二;芹沢俊介)
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