内容説明
大企業東邦電気で常駐請負のシステムエンジニアとして働いていた井村雅紀は、黒い携帯を渡される。残業して帰宅し、寝付いた頃、その携帯が鳴りだした。雅紀が担当しているサプライチェーンマネージメントシステム(TEMIS)の夜間処理で、障害が発生したのだ。早く復旧しないと工場が止まってしまう。雅紀は全神経を集中し、たった一人で朝方までかかって障害を復旧する。過酷な労働で雅紀は精神疾患を発症し、常駐請負の契約満了を告げられ、戻った会社では上司から退職強要を受ける。理不尽な扱いに絶望しそうになる雅紀を支えたのは、病を抱える妻の光子と職場の女性たちやユニオンの仲間。人間らしく働ける職場を求めて、懸命に生きる夫婦の物語。
著者等紹介
最上裕[モガミユウ]
1954年生まれ、香川県出身。NECでシステムエンジニアなどの業務に38年間従事。日本民主主義文学会会員。電機労働者ペンの会所属。支部誌『からむす』編集長。1997年「記念樹に向いて」民主文学支部誌・同人誌推薦作品優秀作。1997年「車椅子を押して」全労連文学賞佳作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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