「ダビデの星」を拒んだ画家フェリックス・ヌスバウム

「ダビデの星」を拒んだ画家フェリックス・ヌスバウム

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  • サイズ B6判/ページ数 162p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784876625116
  • NDC分類 723.34
  • Cコード C0070

内容説明

「私が消えても、私の絵だけは死なせないで、人々に見せてほしい」フェリックスがアウシュビッツのガス室に消えて4半世紀後の1969年、フェリックスの117枚の絵は、託された人々の必至の努力で戦火を生きのび、ドイツのふるさとオスナブリュックに帰った。

目次

第1章 幸せだった少年時代(彼はカッコよかった;父に見出された才能 ほか)
第2章 おしよせるナチの恐怖(祖国との別れ;流転の始まり ほか)
第3章 亡命生活の日々(オステンデ;一三年後の結婚 ほか)
第4章 迫害の時代であっても(私の絵を死なせないで;「友人」の裏切り ほか)

著者等紹介

大内田わこ[オオウチダワコ]
長崎県島原市生まれ。県立島原高校、共立女子大学卒業。ジャーナリスト。ライフワークとしてホロコースト問題を取材中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

46
この本を紹介してくれた、読書メーターの読み友さんに感謝します。私は比較的この時代のこと、特にホロコーストなどについての本を読んでいるのですがこの本の最初にある絵を見ただけでこの絵の作者のすごさが理解できまた時代性をよく表していると感じました。日本の人がよくこのような作家を発掘したと感じています。この本と「アウシュビッツの音楽隊」「夜と霧」は何度も読み返すことになりそうです。2015/01/28

どんぐり

37
カバー絵にあるのは真珠のような涙。この絵を描いたユダヤ人のフェリックスは、1944年7月31日、妻フェルカと一緒にベルギーのメヘレンから最後の家畜輸送用貨車でアウシュヴィッツに移送され、ガス室へと消えた。40歳という短い生涯だった。遺ったのは、170点余りの絵、いまはヌスバウム館に所蔵されている。本書の口絵を飾る「永劫の罰を受けた者たち」「死の勝利」「ユダヤ人証明書をもつ自画像」「窓辺に立つユダヤ人」などの作品からは、ナチスの迫害から絶望にうちひしがれたユダヤ人の姿が恐怖となって押し寄せてくる。2014/12/10

Nobuko Hashimoto

11
同じ著者のもう一冊のヌスバウムの本https://chekosan.exblog.jp/28304919/ を読んで。もう一冊との違いがあまりわからなかったが(私が忘れているだけと思うが)、いずれにしてもヌスバウムの絵を観にオスナブリュックに行きたい。2018/09/18

ルナティック

4
ホロコーストで亡くなった画家の1人。彼のことを知ったのは、あるホロコースト関連書籍で。彼の自画像が、怖いほど胸に迫ったので。恵まれた家庭。周囲が賞賛する才能。前途洋々の人生だったはず・・・彼や妻を知る人々の話がメイン。芸術家であるが故の繊細な心は、過酷な人生に耐えることができなかった・・・残された絵画もカラーで紹介されているのが嬉しい。人生に満足していた時代よりも、迫害されて逃げ隠れして心身ボロボロになっていたであろう時期の絵画の方が、圧巻である。本当に死の恐怖を感じた人の描く「死」には、言葉を失う・・・2014/08/01

駄目男

3
迫害の歴史を辿るとはどういう心境になるものだろうか。 難民で済むならまだいい、しかし絶滅収容所送りとなると、もはや悠長なことは言っていられない。 その恐怖たるや筆舌に尽くしがたい。 私ならとても耐えきれないだろう。 神経がすり減りゲシュタポに踏み込まれた時の恐怖など考えると生きた心地がしない。 幸い今日、彼の作品は友人に預けられていた物が数多く残り記念館もあるようだが作品そのものはどれも暗い。 忍び寄る恐怖をそのまま絵にしたようなものが多い。 しかし、まったく知らない画家だった。2015/01/11

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