のぎへんのほん
コケの生物学

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784876395330
  • NDC分類 475
  • Cコード C1045

内容説明

小さな植物であるが、極寒の地でも生命維持が可能、数千年生きられる、子孫繁栄に複数の方法を持つなど、他の生物にない力を「コケ」は持っている。「コケ」について他の植物とも対比しながら、見識の広い著者が生物学の視点から、総合的に解説する。

目次

コケとは何か
コケと緑藻との関係
コケとシダとの関係
コケが先かシダが先か―『羅生門シンドローム』
コケの生活史
コケの有性生殖
コケの胞子散布
コケの栄養生殖
胞子発芽と原糸体
コケと水
コケと他の生物
コケと人生

著者等紹介

北川尚史[キタガワナオフミ]
昭和10年1月12日広島県佐伯郡廿日市町に生まれる。昭和33年3月京都大学理学部植物学科卒業。昭和38年3月京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得・退学。4月奈良学芸大学(現・奈良教育大学)講師。昭和41年1月同助教授。昭和42年3月理学博士(京都大学)。昭和50年4月同教授。平成12年3月同定年退官。4月奈良教育大学名誉教授。4月奈良産業大学教授。平成17年3月同定年退官。平成28年1月3日逝去(満80歳)。奈良教育大学教育学部附属農場長、同演習林長、奈良教育大学学生部長、日本植物学会評議員、植物分類・地理学会会長、日本蘚苔類学会会長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

禿童子

18
読了までに3ヵ月以上かかりました。陸上植物でもっとも原始的なコケといわれる植物は、蘚(セン)、苔(タイ)、ツノゴケの形の異なる3系統の植物からなる。スギゴケなどのセンには茎と葉があるが、ゼニゴケなどのタイは葉状体のみで、シダ類にある維管束という水を吸い上げる導管はなく、根も着生のための仮根だけなのでサイズは極小で花も実もつけないという地味さ加減。面白いことに食べられるコケは1種類もなく動物もまず食べないそうです。コケに肥料は禁物で、貧栄養状態が好きという変わり者に親しみがわく私も変人かな(笑)2017/06/02

おおた

16
数ある苔関連書籍の中でも一番難しい。タイトル通り植物学の視点から苔を読み解き、古今東西の文献をひもときながら苔の生態を探る。苔は維管束がないから大きくなれないというのは嘘だとか、蘚類の胞子は長期間生きていられるのに苔類の胞子は早いと1時間足らずで死んでしまうとか、普通の苔関連書には載っていない話ばかり。蘚類のホンモンジゴケが銅葺きの寺院によくいる理由として、胞子を出さずに無性芽で増えるため、人の履き物について移動しているのではないかという説がとてもおもしろい。難しいけれど一読に値する。2017/03/02

びぃごろ

10
コケの美しいカラー写真はありません。が、この本は図鑑に載っていないコケのあれこれが満載。陸上植物の生活史での用語の対応表、コケの生殖、コケと水…知らぬ単語も多々あれど、5年前ではチンプンカンプンだったであろうこの本を有難いと読めるようになりました(´;ω;`)ウッ…2017/02/19

thinkeroid

3
第一次世界大戦でミズゴケが負傷の手当てに使われていたというのを知った。生物学はこの本の元の原稿が連載されていた90年代以後にDNA配列の分子系統解析による革命があってコケ内外の理解も色々と根こそぎ刷新されていき、私は革命後の世代なので読むのに面食らう部分もあったが、コケ植物の全体像としての価値は高いと思った。補注・補遺の文献を参考に勉強を続けたいと思う。2017/09/11

tnyak

3
コケ観察会でご一緒させていただいた藤井久子さん(「コケはともだち」の著者)が、専門的だけど面白いよと仰っていたので購入。確かに、シダや緑藻との比較の記述もあり、本書は高校生物レベルの確かな知識が要求されます。しかし、コケ愛が深まっている私にとってはコケの生活史、コケと水など、興味深い記述が沢山あり楽しく読み終えました。2017/04/18

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