内容説明
中国史上はじめて科挙という社会的事象が定着し、士人の精神や人生に新たな影響を与えたのは唐代の三百年である。詩文をもって選抜する試験は、文学史に初めて新たな題材を提供しただけでなく、以後千年にわたり、良きにつけ悪しきにつけてモデルとなった。科挙の歴史的展開と変遷を見るためにも、唐代の科挙文学の世界は重要なのである。ただ、話題は科挙だけにとどまらず、銓選(任官選考)や推挙を要請する士人の行動にも及んでいる。名利の世界への飛翔を願った唐代の知識人が、科挙と銓選という選抜のシステムにいかに立ち向かい、その得喪の結果から生じた思いをいかに文字に託したか、さらにまた、幸いに官人としての身分を得ても、およそ順調な官僚生活とは無縁だった大多数の士人たちが、文章に託してどんなメッセージを歴史に書き込んだのかを見ようとした。
目次
第1章 「至公」に寄せる思い(はじめに;古代の伝承から ほか)
第2章 韻文篇(受験生たちの長安;及第詩 ほか)
第3章 散文篇(干謁の文章;筆記小説から)
第4章 貢挙・銓選と「文章」(はじめに;文章と経国・立身 ほか)
第5章 詩人任華の咆哮(任華における李白・杜甫;任華の自薦と文学)
著者等紹介
高木重俊[タカギシゲトシ]
1944年、長野県生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。北海道教育大学教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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