内容説明
抒情性と韻律性を様式的基本条件とする詩歌において、「理を説く」という一見矛盾する叙述がなぜ存在し、そしていかなる役割を担うのか―。本書は詩学全体に関わる普遍的・原理的な問題として、中国古典詩を特徴づける説理的表現の意義と機能について考察したものであり、それは同時に陶淵明、白居易という思索型詩人の詩想の本質に迫る、出色の作者論・作品論ともなっている。著者の長年にわたる陶詩・白詩研究の精華を示すものである。
目次
第1部 陶淵明論(「不羈」の詩人―もう一つの陶淵明像;陶淵明の「有会而作」について―「嗟来説話」と「固窮説話」の機能の異同を中心に;「即事多所欣 事に即して欣ぶところ多し」―陶淵明「懐古田舎」の説理性について;陶淵明の辞賦―「帰去来兮辞」を中心に ほか)
第2部 白居易論(白居易における陶淵明―詩的説理性の継承を中心に;白居易における「適」の意味―詩語史における独自性を基礎として;白居易のリズム―詩型とその個性;「長恨歌」の主題について―「恨」の主体と作者の意図;白居易の文学論)
著者等紹介
松浦友久[マツウラトモヒサ]
1935年静岡県生まれ。2002年逝去。元早稲田大学文学部教授。文学博士
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- 和書
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