内容説明
本書のテーマは近代、特に20世紀初頭から1930年代までの中国において、西洋音楽がどのように受容され、発展していったかということである。本論の中心となるのは、1927年に上海に創立された中国初の音楽学校、国立音楽院(現在の上海音楽学院)と、それをめぐる人々である。辛亥革命から五四期、そして動乱の30年代へと大きく揺れ動いた中国が、西洋音楽という異文化をどのように受けとめたのか、こめたのか。こ史の問題であるのみならず、近代中国にとって西洋文化とは何だったのかを考察する手がかりとなる。
目次
第1章 西洋音楽の伝来と普及
第2章 新文化運動の流れの中で
第3章 楽人の都・上海
第4章 国楽はどこへ
終章 中国音楽史における1930年代の意味
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみ乃や文屋
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この本は中国語訳されていますので、対訳しながら読みたいけれども、私の拙い中国語力で読めるのか。労を厭わない方はぜひ日中両文で読まれると好いと思います。2016/06/02
味噌漬の味
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超・面白かった!読みやすいし、ぐんぐんページが進みました。主に興味があったのは周センなどのヒット曲だったので、時代はそれより少し前でしたが、それでも関係なく引き込まれました。モダン上海時代の西洋音楽と中国との関わり、中国人に西洋音楽がどのように受け止められたかなどが躍動感をもって伝わってきました。サントリー学芸賞の本はやっぱり面白い!2012/11/19