研文選書
中国農村の細密画 - ある村の記録1936~82

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  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784876360604
  • NDC分類 611.922

出版社内容情報

本書は主に、1936、57、80年の 3回にわたって私が開弦弓村でおこなった現地調査による研究成果をまとめたものから成っている・・・1936年はまさに抗日戦争直前の年であり、1957 年は農村における集団化が完了した直後の年にあたる。そして1980年は、「文化大革命」(1966~76)の時期になされたさまざまな誤りを是正した中 国共産党第十一期三中全会(1978)において採用された新たな経済政策の成果が現れはじめた年である。中国が過去50年間に経験したような政治的激動と 社会変容の時代において・・・私は開弦弓という一つの小宇宙に映し出された社会変容のさまざまな過程を直接目撃し、それを記録することができたのである。 (本書「序文」より)

本書を日本の読者に広く紹介したいと思い立った理由は、断片的な情報や、余りに一般的な理論的分析だ けでは容易に理解できない中国民衆、とりわけ農民の生ける姿、その生活の総体、彼らがとり結ぶ諸関係の網の目、その変化と不変化の位相が非常に具体的にと らえられていると考えたからである。もちろん大きな地域的多様性をもつ中国のことだから、この江南の一つの水郷の村の精細な描写、分析を以って、中国農村 全体を代表させることはできない。・・・だが私たちはこの中から、中国農村の変化の方向、中国のトップ・リーダーたちのことばを借りて言えば、「中国的社 会主義」下の農村の未来像の一端を垣間見ることができるように思われる。(本書「訳者解説」より)