出版社内容情報
国際化に向かう現代、交渉の場で最も頻繁に使われる言語である英語と、交渉の基本的なプロセス(手順)を身につけるのはとても価値のあることです。本書では日本人とアメリカ人の交渉スタイルの違いから、ネゴシエーションの基礎・戦略・実際までを詳細に解説しました。英語による取引を成功させる交渉術が学べます。
"本書は、私たちの生活を高め、人間が作り上げたものも自然界のものも合わせ、地球上のすべての限られた資源を、最大限に平等に分かち合って使うことに貢献するようなビジネスの機会を創り、発展させるために、自分の世界を広げ、より多くの国境を越えたいと願う、日本の将来のビジネス・リーダーたちの役に立ちたいとの思いから書きました。
この急激な国際化の時代にあって、英語でビジネス上の取引について交渉をするというのは、限られたほんの一握りの人々の仕事ではなくなってきています。私たちの多くが、遅かれ早かれ、本やテレビなどから学んだことがあっても、今まで直接出会ったり、経験したことのないような言語や文化をもつ人々と向かい合うときが来るはずです。ですから、国際交渉の場で最も頻繁に使われる言語と、交渉の基本的なプロセス(手順)を身につけるのは価値のあることだといえます。
熱心な国際社会推進者である日米会話学院校長の板橋並治氏は、今日まで、英語を学ぶ人々に次の言葉を英文で教えています。
An education is a very special and peculiar sort of possession. Your family may spend a fortune sending you to school,yet your parents cannot give y識をあなたと分かち合うために必死に努力するかもしれない。しかし、教師もまたあなたに教育を授けることはできない。世界中であなた以外、誰一人として、あなたの教育を学ぶことはできない。いったん持ってしまえば、誰もあなたから教育を奪うことはできない。教育は貴重なものだが、保険をかける必要はない。永久にあなた自身のものなのだ)
確かに、あなたが交渉スキルを身につければ、あなたの会社が恩恵を被るのですが、ここで強調したいのは、それはあなたが持っているスキルであり、仕事上でもプライベートでも、努力するあなたの役に立つものなのだということです。そして、いったん苦労してそのスキルを身につけてしまえば、ずっとあなたについてまわります。
本書ができたのは、祖国を戦後の荒廃から建て直すために働いてきた、日本の戦後世代のビジネスマン/ウーマンのおかげと言っても過言ではありません。彼らは、国際ビジネスの先駆者であり、何のガイドブックも持たずに、専門的なトレーニングもないまま、商品を売るために海外に渡りました。当時、“Made in Japan”はほとんど誰もが関心を持たず、日本の技術はまったく認められてはいませんでした。今では世界に名を知られていほど喜ばしいことはありません。
草稿の段階から、次の方々からの有益なデータ・情報・識言に富んだ助言をいただきましたことに、厚くお礼申し上げたいと存じます。
語研編集部の島袋一郎氏、デロイト・トーシュ・トーマツ・インターナショナルのマイケル=ダレサンドロ氏、ゴールドマン・サックス社の西田俊彦氏、友人の豊浩子さん、カリフォルニア州立大学ヘイワード校と日米会話学院の講師・スタッフ・生徒の方々、ディターミンド・プロダクションズ社の方々、多くのビジネスマン/ウーマンの方々
最後に、本書を私たちの両親田中政信、羊子に捧げます。彼らのインベストメントがなければ、この本を書くことはおそらくなかったでしょう。
1997年1月
たなか桂子
たなか暁子"