内容説明
「その春に起こった出来事を思い出そうとするたび、僕は激しい焦燥に駆られた」ポップで、難解で、官能的。浮遊感溢れる世界が、ゆるやかに現実を凌駕する。忘れてしまった痛みと悦びを、花束のように抱いて、私たちは今日もどこかですれ違っている。絹のような悪意に包まれた、パラレル・リアル・ワールド。第22回銀杏並樹文学賞(選者・高橋源一郎、松浦寿輝、小森陽一各氏)佳作受賞作(『浄福の夜々』)を含む、中篇三編を収録。
著者等紹介
山口珠央[ヤマグチタマオ]
1975年、熊本県に生まれる。97年、東京大学法学部卒。99年、同大大学院法学政治学研究科修士課程修了。専攻、ヨーロッパ政治史。目黒区在住。現在、フリーライター
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。