内容説明
江戸時代、飢饉などが市井の人々を苦しめた。けれども、通いあう人情、日常のちいさな、しかし支えとなる信心をもって生きる、澄んだ人々が多かったのも、事実である。出家という生き方を選び、生涯を賭して禅僧として生きた人々の群像を、永平寺六十世住職・臥雲童龍を軸に掘り起こす。純粋な心をとりもどしたいと願う現代人の心にそこはかとなく響く物語。
目次
1 天明の飢饉
2 出家
3 師を尋ねて
4 駒込学寮栴檀林
5 薩摩日新寺のめぐりあい
6 行く雲流れる水のように
7 仏法を受け嗣ぐ
8 道元禅師六百回大遠忌
著者等紹介
尾辻紀子[オツジノリコ]
1935年横浜市に生まれる。山梨県立甲府第一高等学校卒業。法政大学卒業。日本ペンクラブ会員。埼玉県在住。著書に『チャプラからこんにちは』教育出版センター刊。埼玉文芸章準章受賞。「かわいいおぼうさん」(『おはなし子ども新聞』収載)講談社刊。『近代看護への道』新人物往来社刊
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