内容説明
代表作『キャラメル工場から』プロレタリア文学の旗手・佐多稲子、生誕120周年。生きることだけで精一杯だった昭和初期。発言することを恐れず、自分らしく生きることを諦めなかったひとりの美しい女性作家がいた。小学校中退、工場勤め、結婚、自殺未遂、出産、カフェでの出会い、作家活動、再婚、離婚、ひとり親家庭、革命運動、勾留、戦争責任、除名、女性の自立。辛酸をなめながら、必死に生き抜いた九十四年の生涯。佐多稲子は、いかにして言葉を紡いできたのか―。
目次
彼女の東京地図
長崎の海の青さに
キャラメル工場へ
浅草・上野界隈
『素足の娘』の日々
再び上野へ
女店員になる
愛のない結婚
「驢馬」同人との出会い
稲子、作家になる
表と裏と
不協和音
運命の女
万歳の声
外地へ
太平洋戦争始まる
南方へ
敗戦まで
戦後が始まる
私の東京地図〔ほか〕
著者等紹介
佐久間文子[サクマアヤコ]
1964年大阪生まれ。文芸ジャーナリスト。朝日新聞記者をへて、現在フリーランス(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
2
佐多稲子の生涯:佐多稲子 長崎出身 東京移住 向島小学校 文学活動開始 婦人民主クラブ 社会運動 文化的影響 私の東京地図:東京描写 焼け跡 風景変化 記憶と感情 故人への思い 自己回想 時代の証言 作品評価 戦争と文学:従軍作家 戦争協力 批判と葛藤 戦地慰問 戦後復帰 文学界の立場 社会的責任 戦争文学 家庭と創作:結婚と離婚 窪川鶴次郎 子育て 家庭の影響 女性作家の地位 女性文学 社会意識 文筆活動 社会と政治:婦人運動 民主主義 戦後社会 政治活動 文学の役割 女性の権利 社会改革 共産主義影響2025/03/20
isbm
1
★★★☆2025/03/24
Sosseki
1
名前は知っていたが、佐多稲子の作品は一つも読んだことがないし、プロレタリア文学は「蟹工船」ぐらいしか知らず、その人生等も全く知らなかった。若くして母を亡くしたことから始まり、充分な教育を受けられなかったことや、心中事件、離婚、再婚、浮気、戦争責任、女性差別との闘い等など、芯は強そうだが、穏やかな晩年の顔からは想像できない人生だ。引用で出てくる文はいかにも作家だ。「美しく」生きた人だと思う。 2025/01/08
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- 和書
- Geisha.