内容説明
名画「アッツ島玉砕」が啓示する昭和史。凄絶な玉砕シーンに、藤田嗣治が丹念に描き込んだ「死者の傍らに咲いている花」はいったい何を語りかけるのか?英霊たちが眠る、厳寒のアッツ島には終戦七十年の秘密が冷凍保存されている。
目次
第1章 敬礼される絵画「アッツ島玉砕」
第2章 「アッツ島玉砕」を凝視する
第3章 オカッパを切った藤田嗣治の坊主頭時代
第4章 英霊の島アッツへ
第5章 花々の島アッツ
第6章 戦争画が還ってくる日
著者等紹介
平山周吉[ヒラヤマシュウキチ]
昭和27(1952)年、東京生まれ。慶応大学文学部国文科卒業。出版社で雑誌、書籍の編集に従事した。現在、雑文家。「新潮45」「週刊ポスト」で書評を執筆中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かおりんご
25
藤田嗣治関連の本を読みあさっていて、タイトル借りした本。でも、藤田よりもアッツ島やら会田誠やら、三島由紀夫やら、いろんなことに話が飛びすぎて、いまひとつ。もっと藤田やアッツ島の絵のことが知りたかったです。2020/09/14
mel
10
表題が示唆するような会田誠の一連の作品に対する批評でもなければ、副題にその名を挙げられている藤田嗣治の評伝でもないし、勿論先の戦争での玉砕の島における植物に関する論考でもない。それらを思考の源泉におきつつ、ある期間(元々はWeb連載だったとか)著者が考えたり調べたりしたことを書き連ねたエッセイ集とでもいったらよいか。だから話の筋は散漫、時として踏み込みも甘い。ただ、三島からドナルド・キーン、昭和天皇、高倉健に至るまで、著者が縦横無尽に引く補助線がなかなか面白く、そんなトリビアルな興味で最後まで読み通せた。2016/05/16
O. M.
3
太平洋戦争のアッツ島の戦いを軸にして、前半は戦争画「アッツ島玉砕」を描いた藤田嗣治の生き方について、後半はアッツ島に戦いに係わった諸々の人々について、過去の文献・新聞記事調査等によってまとめたルポ。藤田については、個人的に初見のエピソードが多数発見でき、非常に参考になりました。後半は手を広げすぎて話が発散している感がありますが、いずれにせよ、あの戦争を考え、身につまされる内容ではあります。2016/05/28
takao
2
ふむ2022/08/07
しまちゃん
1
画家の藤田嗣治さんの絵に興味があって、この本を読んでみました。恥ずかしながら、この本を読むまで、藤田嗣治さんが戦争画を描いていたことを知りませんでした。アッツ島玉砕のことや、その他の戦時中のことを知ることが出来て、読んで良かったと思います。天皇、皇后両陛下の戦争に対するお気持ちにも触れることが出来たように感じています!2015/10/03