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目次
花(徒花図鑑;徒花園 ほか)
窓(晒野団地入居案内;晒野団地四畳半詣)
旅(地霊に宿られた花輪;名もなき東京人のための花輪 ほか)
高階秀爾「鮮烈な詩情の世界」
小泉晋弥「齋藤芽生の花・窓・旅の行方」
著者等紹介
齋藤芽生[サイトウメオ]
1973年東京都に生まれる。1996年東京藝術大学美術学部油画科卒業。1998年東京藝術大学大学院修士課程油画専攻修了。2001年東京藝術大学大学院後期博士課程油画専攻修了。現在、東京藝術大学美術学部油画科常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
兎乃
29
こないだ 久しぶりに画集を開いたら囚われた。花、窓、旅...。芬々塊という花は、確か「小川洋子の偏愛短篇箱」に使われていたはず、などと...。ちょっと冷静にお茶を一口。画集であり、同時に詩集であり、失われた声でもあり。絵に添えられる四行詩句は祈りか歌か、供養か。"そう、大いなる不安の影のように存在していてくれることもまた、必要なのだ。夜の闇がこの世を覆う時間の、諦念と安堵のように居てくれることも。沈黙の中でのみ、しずかに深く繋がることも。"2013/02/08
兎乃
20
赤い花。血液が乾燥したあとの鈍い錆びた赤。内臓の鮮やかな赤。廃墟に隠れ咲く妖しい花。私は陳腐だから、この画集を言葉にできないけど、鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」を思い出したり、台所にある 使い古した赤い琺瑯ケトルを愛おしく思ったりした。好きな人には手放せない画集。本棚に。2013/02/04
とも*
9
毒々しい表紙に惹かれて手に取ったんだけれど、中も結構毒があると言うかブラックユーモアがあると言うか不気味な感じ(褒め言葉)で細部まで見応えありで書いてある文章も絵の雰囲気に合っていて良かった。 中でも「毒花図鑑」の名前のセンスと説明のブラックさに思わず笑ってしまった。 全部に言えるけれど発想がお見事。 2014/03/08
伶夜
7
至福の恋は地獄の中にだけ存在する。(本文より) 澱のような毒を持つ絵という印象。2017/09/01
リンゴ姫
2
廃墟に団地、彼岸花、寂れた遊園地に赤い錆、誰もいない、忘れられた土地。記憶の底にあるような感覚。 最初にこの人を知ったのは美術手帳、流行りの懐古主義とかノスタルジックとかではなくて、現役で戦後〜昭和のアングラを生きた人だと思った。現代にいるのに、生きている空間、見えている世界が違うのだと思った。そこにひかれた。ブログもおすすめ。2010/09/17