内容説明
圧倒的な緻密さを誇る官能的な美少年・美少女作品と、ウェブ連載で書きためたエッセイをもとに、幻惑作品の源泉に迫る。
目次
「亡者の夜宴」
「吸血の誘惑」
「廃墟の囁き」
「境界線上の少年」
「迷宮としての身体」
「ハンス・ベルメールの蟻」
「黒色幻想」
「春宵の赤い月」
「幻視の森」
「万華鏡の中の少女」
「華宵憧憬」
「金色ののぞき眼鏡」
「龍の鱗」
「夢窓庭園」
「屍骨の夢」
「角のある少年」
著者等紹介
山本タカト[ヤマモトタカト]
1960年秋田県に生まれる。1983年東京造形大学造形学部美術学科卒業。80年代は主に企業広告のイラストレーションを手がける。90年代初頭から、19世紀末美術や浮世絵の影響のもとに、小説の挿絵を描き出す。その傍ら「平成耽美主義」と銘打って、幻想耽美なオリジナル作品を制作。現在、東京イラストレーターズ・ソサエティ会員、国際浮世絵学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
75
画集だけではなくエッセイも載っている本。色々な幻惑的アート作品や映画・漫画・情景などから影響されていると具体例を上げて自作品を解説されている。「私が子供だった頃は『男の子は青系の服、女の子は赤系の服を着ましょう』というような、つまらない強制めいた圧力があって、それに反発して赤い服ばかり着ていたことがあった。」というからプロフィールを見ると1960年生まれと。2014/11/09
skellig@topsy-turvy
10
耽美な画風で有名な山本タカトさんのエッセイ。素敵な装丁もさることながら、半画集状態で、フルカラー作品が沢山掲載されているのが嬉しい!御住居のある鎌倉を散策しながらの夢想や空想、ご自身のことなどについてつらつら綴られた文章は楽しく、静謐ながら内に在る透徹した視線を感じさせてくれます。読み終わったあと直ぐにでも、もう一度読もうかなと感じさせてくれる美しい本です。2012/04/20
HANA
8
鎌倉散歩と思いきや著者の芸術論であったりはたまた美や死のイメージであったり、さらにそこへページを開くごとに巧緻な絵がありで様々なものが渾然一体となっている。特に著者が影響を受けた画家を見て、さもありなんと納得。いい絵を描く人は幼い時からの趣味から違うのです。とりあえず手元にある画集をもう一度紐解くことにした。あ、ちなみに某所でサイン本を買いました。2010/08/13
むつぞー
8
妖しい美しさがたまらなく素敵。唯一の不満はもっと大きいサイズの本、せめてA4にして欲しかったことぐらい。官能的な絵も作者が垣間見えるエッセイも大満足です。2010/07/28
どんぐり
7
少年と少女のエキゾチックな姿態を描く絵師、山本タカトの本。山本にとって、鎌倉は霊感を刺激する場所だという。絵を描く合間に散策して妄想に耽り、脳裡に響いてくる言葉を拾い集め、書き留めた文章、それと歩き撮った鎌倉の写真、極め付きは、華美な少年・少女の幻想耽美な絵の数々。2012/07/29