内容説明
ここはどこなんだろう―おなかがすいて死にそうなのに、食べ物はなにもない。マッチがないから、火もおこせない。森にはオオカミやクマだっているだろう…。両親の離婚後のはじめての夏、小型飛行機で父親のもとへ向かうとちゅう、思いがけない事故で、少年はひとりカナダの森林に不時着した。たったひとつ残された道具―手おのと、自分自身をたよりに、大自然のなかで“生きる”ことを学び、たくましく成長していく少年の冒険をえがく。ニューベリー賞銀賞受賞。小学上級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
43
両親の離婚後の初めての夏、小型飛行機で父親の元へ向かう途中、思いがけない事故で一人カナダの森に不時着した13歳の少年ブライアン・ロブスン。偶々ベルトに挟んであった手斧1丁で逞しく生き抜く姿が描かれます。著者の実体験に裏打ちされた描写に胸打たれます。一気読みでした。生きるってことは、先ず生きようとする強い気持ちが大切なんだと気付かされました。孫と一緒に読みたい一冊です。2022/08/14
seacalf
39
『ぼくたち負け組クラブ』より。両親の離婚によって胸塞ぐ思いを抱えた少年が、突然の飛行機事故でカナダの大森林でひとりぼっちのサバイバルを余儀なくされる。相棒は手斧のみ。飢えの苦しみや、火を熾す苦悩、蚊の大群やムース、竜巻に襲われるシーンなど筆者の実体験を元にしているので生々しい。無から何かを造り出すことがいかに大変か、都会っ子でサバイバル経験ゼロの主人公を通して描かれている。読んでるうちに何も出来ない焦燥感に駈られないようにキャンプに行きたくなった。最後が尻切れとんぼな印象なので、未訳の続編も読んでみたい。2018/07/31
☆よいこ
36
13歳の少年ブライアンは父に会いに行くため小型飛行機に乗っていた。同乗者は無し。副操縦士席に乗りちょっと操縦のやり方を教えたもらったのは面白かったけれど、父に会いに行くのは気分が乗らない。母が浮気しているのを自分だけが知ってるからだ。ところが、パイロットが心臓発作を起こし飛行機は進路を失い、森の中に墜落してしう。ひとり生き残ったブライアンはサバイバル生活を始める。▽普通の少年が本当に何も無い状態から、生き延びるために工夫をし、足掻いていく姿に感動する。古い本だけど良本、面白かった。2018/07/10
どら母 学校図書館を考える
21
「ぼくたち負け組クラブ」の中で、すごい押しの本だったので。ちゃんと、手に入って感動。図書館ていいですね。2020/12/19
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
19
13歳のブライアンは父に会うため、パイロットと二人で小型飛行機でカナダに向かうが、途中パイロットが心臓発作を起こし不時着、ブライアンはたった一人森の中で生きていかなくてはならなくなりました。手斧1本しかない中のサバイバル生活、54日目に助けられるまで生きのびた少年のおはなし。今は絶版になっているようですね。 自分用覚書 『ぼくたち負け組クラブ』 https://bookmeter.com/books/12341966 巻末リスト9/43 『ブライアンの冬』シリーズ3作目は登録なし 10/432018/10/04