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内容説明
鷹に殺される自分が、毎晩虫たちを殺している。よだかはたえきれず、天をめざすが―。表題作をふくむ4編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わむう
24
島本理生さんの「よだかの片想い」を読んだ流れで。何も悪いことをしていないのに醜いというだけで存在を否定されるよだか。そんな醜い自分に食べられてしまう生き物を見て、自分が生まれてきたことが間違いなのではないかと絶望します。せめて死んで空に昇りたいと太陽や星に頼みますが断られてしまいます。自分の力で何とか空にたどりついた時にはもう命は尽きていました。死後はよだかの願いが叶ったのでしょうか。2019/12/11
ヒラP@ehon.gohon
19
宮沢賢治の「よだかの星」を追いかけていて、この一冊を手に取りました。 何人もの絵本作家がそれぞれにイメージ空間を作っている中で、黒井健さんの世界と、絵とは距離を置いた物語の配置で、作品そのものと向き合えたように思います。 4編の作品が収録されていますが、今まで読んだことのない「林の底」と出会えたことも収穫です。 最後に付された解説も良かったです。2024/06/09
海(カイ)
19
【図書館】映画『さいはてにて やさしい香りと待ちながら』を見て、『よだかの星』の本が出てきて、気になって、検索したら、何冊も絵本や児童書になっていて、大好きな黒井健さんの絵本で読んでみた。実際によだかがどんな鳥なのか、画像検索で見てみたけど、黒井健さんの絵のような、かわいい鳥だった。このお話は、ちょっと悲しい。2016/06/07
朗読者
18
ヨルシカの「靴の花火」を聴きながら、この曲がオマージュしている「よだかの星」を読み直してみたくなりました。ひたむきさ、懸命さ、大切ですね。忘れかけているものを思い出させていただきました。2024/10/21
テツ
18
自分の醜さ、生きていく上で否応なく出逢う悲しみ。そしてそんな望まれない生でも他者の犠牲の上にしか成り立たないと知ったときの絶望。ああ、生きることは悲しく辛い。よだかの祈り。神様、次は自分の生命を何かのために役立ててくださいと祈りながら高く高く天を目指し飛んでいくよだかの思い。何度読んでも涙が出てくる。自分の人生は何も生み出さず誰も望まず、ただただ浪費して他者を傷つけるだけのシロモノだった。そうだよな。出来たら次はこんな悲しい世界から抜け出て夜空でひっそりと輝きたいよな。心の底から理解できる。大好きなお話。2016/07/16