内容説明
ミケーネの王妃クリュタイムネストラは、夫アガメムノンが長女を生贅にしたことを怨み、愛人のアイギストスと協力して夫を殺害する。次女のエレクトラは幼い弟オレステスの身を案じてひそかに知人に預け、自分は王宮に残って弟の成長と父親の仇討ちの機会を待っている。やがて、父が母に殺害されてから七年が過ぎた。八年目のある日、ついにオレステスが帰国する…。
著者等紹介
山形治江[ヤマガタハルエ]
1959年群馬県生まれ。津田塾大学英文科卒業。1982~83年英国ケント・アット・カンタベリ大学演劇専攻科留学。1987~90年アテネ大学大学院古典学科留学。早稲田大学大学院芸術専攻科博士課程満期修了。日本大学・山脇学園大学講師
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感想・レビュー
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viola
5
これの『メディア』がなかなか良かったので、ソフォクレスの『エレクトラ』も。メディアと変わらず舞台用に翻訳されたものなので全く堅くなく、知識も要らず、普段古典を読まない人にも受けいられるような訳になっています。巻末の「これを知っていると舞台が3倍面白い」もとてもいい!当時舞台で台詞を喋れる俳優は3人しかおらず、登場人物は全て3人で掛け持ちなんだそう。エウリピデスの『エレクトラ』や、アイスキュロスの『供養する女たち』もエレクトラ。此方も読んでみたいと思います。2011/09/28
bluelotus
4
★★★☆☆ 今月の東響のエレクトラの予習に。エレクトラの気性の激しさはまさにお母さん譲りでは?と思ってしまった。ただ神話を読めばそれぞれの恨みは理解できるだけに、その裏話的な内容がとても参考になった。この本はシアターコクーンでの蜷川作品のために書かれたものだそうで、その当時の大竹しのぶ、岡田准一という配役に納得…と思ったらまさかの大竹しのぶはエレクトラ役?!(年齢的にお母さんの方かと…(笑))2023/05/01
kekobus1989
2
ファザコンブラコン母殺しの原型。劇場をグアッと陶酔に連れていく。
ロバーツ
2
「オレステス」に続いて読んだ。しばらくは古代ギリシャ文学を堪能したい。2021/04/29
nightowl
2
エレクトラの憎しみに満ちた一言一言にぐったりしつつ読んでいて愉しい。ギリシャ演劇についての解説もお得な一冊。2017/01/11
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