劇書房best play series<br> おやすみ、母さん (新装)

劇書房best play series
おやすみ、母さん (新装)

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  • サイズ B6判/ページ数 93p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784875745938
  • NDC分類 932
  • Cコード C0374

内容説明

ジェシー・ケーツ。年令は、30代後半か40代の始め。セルマ・ケーツ、ジェシーの母親。50代後半か60代の初め。娘と母、登場人物はその二人。時は現在。劇的行動は8時5分頃開始し、10時には全てが終了する。舞台上の時計が、リアルタイムの時間を刻む。それは二人にとって抜き差しならない時間である。娘と母との細かな日常的なディテールに“死”の光りが当てられ、二人の人生そのものが浮かび上がっていく。愛と孤独、不安、希望、あきらめ、決意…。凝縮した時間の中の凝縮した人間の葛藤。強い衝撃と感動で、’83年度ピュリッツァー賞を受賞した問題作。

著者等紹介

酒井洋子[サカイヨウコ]
日本女子大学英文学科卒。イースト・ウェスト・センター演劇科修士課程修了
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nightowl

2
これから自殺しようとする人、それを止めようとする人。こちらは母娘ものだけれど、自分に置き換えて彼女を止められる決定的な一言があるかと言われると全く思い付かないのが悲しい。父と息子の断絶なら「セールスマンの死」、見知らぬ人同士なら「動物園物語」等々この手の題材は今も色褪せない作品が多い。2020/03/11

しんだもずく

1
母と娘の一晩をめぐる痛切な戯曲。とくに事前の情報もなく読んだので、タイトルの「おやすみ、母さん」がこれほど優しく、強い意志の、一度きりの言葉だったのかと衝撃を受ける(実際の発話は一度ではないにしろ、使われ方としては一度きりだ)。目の前の人間を、今日という一日をただ偽りなく見つめること、それがどれほど難しいことなのか、積み重なった掛け違いは何を生むのか。繊細な言葉と道具の配置が少しづつ終わりへ向かっていく劇に綺麗に収まっていく構図が意図されたものであることが悲しい2024/01/02

きゅー

0
舞台はアメリカの平凡な一軒家。登場するのは60歳前後の母と、その娘ジェシー。ジェシーは自身の人生に悲嘆し、自殺を考える。それを思いとどまらせようとする母との対話で成り立っている。最後「おやすみ、母さん」と声をかけ、ジェシーは奥に消え、銃声が聞こえる。たとえ母と娘であっても、人と人との間にはこれだけの断絶が横たわっている。死んではいけないと、言うことは簡単だけれど、それをどうにかして相手に伝え、思いとどまらせるのは難しい。

Moish

0
初演の主人公の1人がキャシー・ベイツと知って興味を持った戯曲。これぞ中産階級アメリカ、と言えそうな家族(母娘)の確執の2人芝居。冒頭で娘が銃で自殺するつもりであることがわかると、その後は「いつ?」「何をきっかけに?」という疑問が、1種のサスペンスの綱の役割を担う。母の必死の説得と娘の揺るがない意志、希望と諦念のせめぎ合う2時間弱。戯曲を読むと、実際に舞台で見たくなってくる。2019/05/12

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