ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ

ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ

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  • サイズ B6判/ページ数 152p
  • 商品コード 9784875745747
  • Cコード C0374

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケロリーヌ@ベルばら同盟

54
表題を一瞥して即、この戯曲が『ハムレット』のパスティーシュだと気付く人がどれ程いるのだろうか。ドイツに遊学中、新王によって呼び戻され、先王である父の急逝により、心身に変調をきたした王子を、幼馴染みの学友として励まし、見守って欲しいと懇願された二人の若者。屍累々たる悲劇の最期に、他国の使者のたった一言でその末路を報告された二人。印象的な名前だが、役割は冷徹なほどに『脇役』の側から見た『ハムレット』。突如スポットライトを浴びた彼らだが周章狼狽、存在意義すら曖昧になる。本家を副読本に、薄暗いユーモアを噛締めた。2019/11/10

mikarin

9
『大体は普通のものばかり。ただし裏と表がひっくり返ってますがね。舞台の外で起こるはずのことを舞台の上でやる。それでひとつの全体といったところです。すべての退場はどこか別の場所への登場だとすれば。』というお話。普通に生きてるほとんどの人はロズギルなのだとも言える。喜劇的悲劇、あるいは悲劇的喜劇?戯曲は読みなれないので不安だったけど面白くてスラスラ読めました。とにかく上手いなぁ。というのが感想です。ロズギルのふたりを主人公にすると思いついた時点でもう上手すぎる。2018/09/22

ゆき

5
コインの表と裏、舞台の上と外。ハムレットでは端役に過ぎなかった二人を中心に据えながらも、物語はやはり二人の預かり知らぬところでどんどん進んでいく。風や潮の流れに運ばれ逃れることができない船での旅路が運命になぞらえられる場面が印象的だった。2018/12/13

えふのらん

5
死ぬために生まれたハムレットの学友、クローディアスの手先ローゼンクランツとギルデンスターンの物語。劇中でハムレットの語りのなかで殺されてしまう二人が自らの運命を予感し語り合う。彼らの運命を象徴するような表しかでないコインの考察、舞台の状況と切り離された場所から観客は何様なのか、人が八人も死ぬ劇を演じる意味とは、そもそも舞台上で死をそれらしく演出することは可能なのか。予めハムレットという物語を読み、端役としての運命を極めて自覚的に演じる二人の振る舞い、観客への視線が刺戟的だった。2016/05/28

きゅー

5
『ハムレット』の端役である、ローゼンクランツとギルデンスターン二人を主役にそえた劇作。主役とは言っても、彼らは生来の端役のため、やることといったら二人で言葉遊びを繰り返すこと。舞台には出ているが、彼らは物語の推進力とは決してならず、常に状況に振り回されている。有名な作品の端役にスポットライトを当てるという方法は面白いと思う。しかし彼ら二人に新たな役割が振り当てられたわけでもなく、『ハムレット』の裏話的な話があるわけでもないため、幕間の時間をつぶしているように見えて仕方がなかった。2012/03/16

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