内容説明
ヴィクトリア朝の当時の時代では、まだ大陸では鉄道が敷かれる前か、敷かれたばかりか、あるいは敷かれた後でも私たちには想像もできないほど途方もない長時間にわたる苛酷な旅であっただろうし、アルプス越えなどは徒歩か、篭であったから、余暇の旅とはいっても、私たちがするヨーロッパ海外旅行のような快適な旅行とは大違いであり、当時の旅は、現代の人間なら十分骨折りの重労働の旅としか思えないものであっただろう。それではこれほど辛く大変な思いをしてまで、なぜ、ヴィクトリア朝の人々は一度ならず旅をし、とりわけ地中海へと出掛けていったのか、それを考えてみようというのが、本書の趣旨である。
目次
第1章 Gaskellとローマの休日
第2章 Disraeliの地中海再発見
第3章 イタリアのDickens
第4章 George Eliotと歴史と地中海
第5章 死に至る旅―Gissingと地中海
第6章 地中海の彼方のSherlock Holmes
第7章 E.M.Forsterと地中海の誘惑
第8章 コスモポリタン画家John Singer Sargentのこと
著者等紹介
石塚裕子[イシズカヒロコ]
北海道釧路市生まれ。東京女子大学文理学部英米文学科卒業。東京都立大学人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、神戸大学国際文化学部助教授。専門は、19世紀イギリス文化社会および文学
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