内容説明
『嵐が丘』論や『ジェイン・エア』論に比べ、アンの作品は長い間顧みられなかった。しかしながら世紀末を迎えたいま、アン・ブロンテに関する研究書や研究論文の類は、次第にその数を増している。本書は、単なる翻訳文学としてではなく、現実に生きたアン・ブロンテのその内的葛藤に対して、直接的な問題意識をもって編んだものである。
目次
第1部 『アグネス・グレイ』(アグネスの自立―価値観の旧さと新しさ;『アグネス・グレイ』―沈黙の技法 ほか)
第2部 『ワイルドフェル・ホールの住人』(『ワイルドフェル・ホールの住人』の批評史;告白と説得の構造―『ワイルドフェル・ホールの住人』の語られ方をめぐって ほか)
第3部 詩・音楽(アン・ブロンテの詩に表れた書き手としての意識;アン・ブロンテの詩にみる情景描写と内面のイメージ―エミリ・ブロンテの詩と関わって ほか)
第4部 アン・ブロンテ論(アン・ブロンテ論―非日常性の創造をめぐって;アン・ブロンテ関連主要文献)



