感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ロビン
13
どこまでも聖書を根拠として自分を律し生きたピューリタン詩人ミルトン。本書は彼のパンフレットや詩作と聖書との関係に着目して書かれたものである。『闘士サムソン』と聖書の『士師記』におけるサムソン像の違いや、聖書ではすでに死んでいるはずの父親マノアをあえて登場させていること、聖書には明記のないデリラの地位を「正妻」としているなど、サムソンを信仰の英雄として描こうとしてミルトンが脚色した部分が興味深い。離婚論についても、聖書の記述との整合性をたもつためためどのように展開させたか考察されている。勉強になった。2025/03/25