内容説明
ポー、ホーソーン、メルヴィル、エマソン、ソローなどの古典作家、さらには同時代の女性や黒人文学の隠れた地層を掘り起こし、次世代につながる批評の鉱脈を切り開く。マシーセンを受け継ぎ、深化させ、乗り越える意欲的論文集。
目次
第1部 アメリカン・ルネサンスの起源と軌跡(沼地とアメリカン・ルネサンス―ナット・ターナー、ドレッド、ホップ・フロッグ;ソローとダニエル・ウェブスター―『コッド岬』のサブテクスト;「どこかほかの場所の市民」となること―「税関」の鷲と『緋文字』における個人と共同体の関係;エマソンからジェイムズへ―プラグマティックな視点からの比較的考察)
第2部 アメリカン・ルネサンスの女性像再考(ポーにおけるミソジニーの伝統;ヘスター再考―女性、デカルト、超絶主義的思考の陥穽;創作への旅―旅行記作家としてのソファイア・ピーボディ・ホーソーン;沈黙する女性たち―メルヴィルの言語観を探る)
第3部 黒人のアメリカン・ルネサンス(ホーソーンと船乗りたち―環大西洋奴隷貿易との関連をめぐって;フレデリック・ダクラス『ナラティヴ』における黒人主体形成と意味作用;ブラック・ノイズとしての「ベニート・セレーノ」―メルヴィルとアフリカ的想像力;マーティン・ディレイニーの脱アメリカ―『ブレイク』におけるネグリチュード)
第4部 アメリカン・ルネサンスのレトリックと文体(ポーの文体とその翻訳可能性をめぐって;ナサニエル・ホーソーン『七破風の屋敷』の気遣う語り手;エイハブの涙)
第5部 アメリカン・ルネサンスと日本(浦賀の「流星」とプロヴィデンス―ペリーとホーソーンと日本開国;ホーソーンと夏目漱石;歴史と時間におけるアンビヴァレンス―メルヴィル、ポーと批評、反復、日本)
著者等紹介
西谷拓哉[ニシタニタクヤ]
1961年生まれ、神戸大学大学院国際文化学研究科教授
成田雅彦[ナリタマサヒコ]
1959年生まれ、専修大学経営学部・大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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