内容説明
ヘーゲル哲学の鍵となる「承認」概念の発展史をたどり、『精神現象学』『法の哲学』を「承認」の観点から捉え直す。発表直後に大きな反響を呼んだジープの「承認」論は、人類の自然に対する関係の基準を課題に掲げた新しい実践哲学の構想へと発展した―日本語版独自編集による、ジープ「承認」論の現在的地平。
目次
承認をめぐる闘争―イエナ期著作におけるヘーゲルのホッブズとの対決
『実践哲学の原理としての承認』イタリア語版序文
解題 相互人格的承認を超えて―ジープの新しい承認論構想(ジープと承認論;「承認」評価の転換―新たな実践哲学構想へ;ジープの新しい実践哲学構想―「承認」概念の拡張)
精神現象学における承認と現代実践哲学における承認(『精神現象学』における承認;現代の実践哲学における承認)
ヘーゲルの国家はキリスト教国家か?
著者等紹介
ジープ,ルートヴィヒ[ジープ,ルートヴィヒ] [Siep,Ludwig]
1942年、ドイツ、ゾーリンゲン生まれ。ケルン大学およびフライブルク大学にて哲学等を学ぶ。論文「ヘーゲルのフィヒテ批判と1804年の知識学」でフライブルク大学から博士号取得。1970年、学位論文でフライブルク学術協会賞受賞。1976年、論文「実践哲学の原理としての承認」で教授資格取得。デュイスブルク大学教授(哲学)、ミュンスター大学教授(哲学)を経て、2010年にミュンスター大学退職
山内廣隆[ヤマウチヒロタカ]
1949年、鹿児島市生まれ。1982年、広島大学大学院文学研究科西洋哲学専攻博士課程後期単位取得退学、博士(文学)。ミュンスター大学(ドイツ)客員研究員、広島大学大学院文学研究科教授を経て、安田女子大学教授・広島大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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