内容説明
視力を喪う…。しかし協力者との“読書”がはじまる。小宮山量平氏からの要請に応え、“新しい社会観”をまとめ「民衆のためになる良い本」を書こうと努力するさなかに、失明の危機に襲われる。しかし友人の音読による「音読書」をあみだし、思想的格闘はつづく。
目次
一九五四年(毛沢東『整風文献』(国民文庫)―一九五四年八月十八日
野間宏『現代文学の基礎』―一九五四年八月二十二日
思想の科学研究会編『現代哲学読本』―一九五四年八月二十四日
『理論』第二六号―一九五四年八月二十七日
サルトル『唯物論と革命』―一九五四年八月三十日 ほか)
一九五五年(松村一人「平和の論理について」―一九五五年四月四日;『経済学教科書』の「目次」をよんでもらって―一九五五年四月四日;梯明秀「歴史的現実と社会科学方法論」―一九五五年五月十二日;『唯物史観の諸問題』―一九五五年五月二十日;竹内良知「唯物史観における道徳の位置」―一九五五年五月二十七日 ほか)
著者等紹介
黒田寛一[クロダカンイチ]
1927‐2006年。埼玉県秩父町に生まれる。東京府北多摩郡府中尋常小学校卒業。医師をめざして東京高等学校理科乙類に入学するが、1949年中退。療養しながら独学を続ける。1952年に処女作『ヘーゲルとマルクス』を理論社から出版。翌53年から「民科」(民主主義科学者協会)に出席。「正統派」唯物論者たちによるマルクス主義の客観主義的歪曲と対決し、論戦を展開。1956年のハンガリー労働者の蜂起にたいするソ連軍の弾圧を弾劾し、反スターリン主義運動を創造。1996年まで日本革命的共産主義者同盟全国委員会議長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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