内容説明
「エンゲルス=客観主義だと!?」1950年の始まりを前に、青年の読書は一つの結節点を迎える。田中吉六との内的対話をくりかえしつつ、梅本克己、山田坂仁、松村一人らによる戦後主体性論争の総括的検討をとおして、史的唯物論の再構成へと問題意識は向かう。
目次
『哲学評論』第四巻第五号
マルクス『賃労働と資本』
マルクス『賃銀・価格および利潤』
エンゲルス『反デューリング論』下巻
『経済評論』第四巻第九号
『唯物論研究』第五号
『唯物論研究』第六号
相沢秀一『経済学説史』
M.Arnold:Culture and anarchy
Engels:Socialism,Utopian and Scientific〔ほか〕
著者等紹介
黒田寛一[クロダカンイチ]
1927‐2006年。埼玉県秩父町に生まれる。東京府北多摩郡府中尋常小学校卒業。医師をめざして東京高等学校理科乙類に入学するが、1949年中退。療養しながら独学を続ける。1952年に処女作『ヘーゲルとマルクス』を理論社から出版。翌53年から「民科」(民主主義科学者協会)に出席。「正統派」唯物論者たちによるマルクス主義の客観主義的歪曲と対決し、論戦を展開。1956年のハンガリー労働者の蜂起にたいするソ連軍の弾圧を弾劾し、反スターリン主義運動を創造(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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