内容説明
ヘーゲルの国家論といえば、今日でも「国家権力の絶対化」といった議論があとを絶たない。また市民社会は国家によって「止揚される」というような記述にもしばしば接する。ヘーゲルは、家族と市民社会、とくに後者に支えられた国家を構想したのであって、足(市民社会)のない「お化け」のような国家を構想したわけではない。欲求のシステムとしての市民社会論を軸にドイツ古典哲学における結婚と家族への考察を経て国家へといたるヘーゲルの社会経済的思惟をたどる。
目次
ヘーゲルの所有論とマルクス
ドイツ古典哲学における結婚と家族
ヘーゲルの「普遍的資産」概念について
ヘーゲルにおける国家と経済―身分論の展開
コルポラツィオーン論のビフォー・アンド・アフター
ヘーゲルの税の哲学
青年F.リストのコルポラツィオーン論
書評『ヘーゲル『法(権利)の哲学』‐形成と展開』
著者等紹介
高柳良治[タカヤナギリョウジ]
1935年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科社会学専攻博士課程単位取得満期退学。國學院大學名誉教授。2014年4月8日に逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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