内容説明
偉大な戦いは思想という戦場で戦われる。もっと理想を!真実を!―フィデル・カストロ。史上最強の軍事力を誇る北の帝国にカリブ海の小国が戦いを挑んだ。
目次
ハバナ革命広場での演説
ホセ・マルティ
砂糖産業の労働者諸君へ
新自由主義的グローバリズムに抗して
著者等紹介
安濃一樹[アンノウカズキ]
1958年東京生まれ。翻訳家、作家。マクマスター大学(カナダ)大学院社会科学部宗教研究科修士、同科目博士課程単位取得卒業。『世界』『週刊金曜日』『自然と人間』などに、チョムスキー、ウォーラーステイン、サイード、ロバート・フィクス、シーモア・ハーシュなど、ジオポリティックスやグローバリズム、米国の軍事戦略、市民運動に関する記事を翻訳し、また各誌に執筆している。TUP(Translators United for Peace)メンバー
水木章子[ミズキショウコ]
1948年生まれ。早稲田大学卒。専門は社会主義社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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テツ
18
政治的な思想信条やイデオロギーには全く関心がないけれどカストロは好きだ。自分の人生の全てを擲ち生きた人間の言葉は、モラトリアムを弄んでいるだけの知能と人生経験が足りないガキどもの政治的なご高説(あ。厭味ね)とはかけ離れている。反グローバリズム的な演説は猫も杓子もグローバリズムだった流れに不満が高まってきた現代に生きる若者たちに是非読んで頂きたい。生きることは多分戦うことと同義であり、必死に戦う姿は後に続く人間への教育と同義だ。真から自分を擲ち理想のために戦う姿は美しい。2017/10/11
readtuktuk
1
本を手にする人を限定してしまうようなタイトルだけど、とても読みやすい。2002年から2004年にかけて、カストロによる、新自由主義、反グローバリズムに関する演説を4本収録。読みやすいのは、訳者あとがきにあるように、〈彼の演説はアジテーションではない。世界の状況を、キューバが直面しているものを「できるだけ詳しく知ってもらいたい」と労働者、農民、学生たちに語りかけ〉ているから。また、注釈もあるので、キューバを主としてラテンアメリカの現代史を知るにもいい。2010/01/21
Mt. G
0
【解説より】「すべての演説でカストロが強調しているのは「思想的闘い」である。「知識にもとづいた理念・政治意識」こそが、どのような軍隊や兵器にもうち勝つことのできる力である、という信念にもとづいている。彼の演説はアジテーションではない。世界の状況を、キューバが直面しているものを「できるだけ詳しく知ってもらいたい」と労働者・農民・学生たちに語りかけるカストロ。彼は「思想の戦場」でたたかう戦士であり、「教育者」でもある。」(p216-217)2016/06/13
絶望のメンヘラ
0
『私たちはこのまま先を行きます。誰にも追いつかれず独走を続けてみせる。』『わずかな資源と、わずかな政治意識と、わずかな労働力と、わずかな改革だけでも、大きなことを成し遂げることができます。』2013/05/26