内容説明
「弁証法の魂」としての“否定・否定の否定”を根幹として成り立っているヘーゲル哲学体系を、「論理と歴史との一致」という方法に貫かれている体系の構成領域(現象学―論理学―実在哲学)を、〈意識学―本質学―現実学〉という著者に独自な観点から整序し、もって伝統的なヘーゲル解釈の地平をこえでようとした迫真の研究書。1929年~38年にかけて、唯物論研究会で活躍した若き著者の思想形成の歩みを刻みこんだ論文をも収録。
目次
新編ヘーゲル哲学の体系と方法(ヘーゲルにおける体系と方法;ヘーゲルの『哲学史』における弁証法の理解;弁証法のアポロギー ほか)
付録 弁証法哲学
小論集1(理想化への人生;日本主義哲学の批判―紀平正美哲学の正体;現在に於ける日本主義理論の特質 ほか)