ニコラス・ニクルビー 〈下〉

ニコラス・ニクルビー 〈下〉

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  • サイズ A5判/ページ数 510p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784875582427
  • Cコード C1097

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

71
下巻に入り、ニコラスはふとしたきっかけで知り合った兄弟の会社で働き始め、仕事の関係で出会った女性に一目惚れする。ところが、ラルフとその仲間が、その女性に関する陰謀をめぐらせていた。いろいろゴタゴタするものの、最後はディケンズお得意の大団円。興味深かったのは、劣悪な学校のすぐ近くに住むジョンやラルフが雇っていたニューマンが、悪に染まらず善人だったこと 。悪の近くにいるからといってみんながみんな悪に染まるわけではないと、ディケンズはいいたかったのだろう。2020/02/09

のっち♬

50
就職に難航したニコラスは双子の商人に雇われるが、その際絵画を売る娘に一目惚れする。強制結婚という時代錯誤的なネタを扱っているが読み手を惹きつける筆力はかなりのもので、新たな悪役の老人の造形も流石。他にもうんざりするほど饒舌で愚鈍な母親、スマイクの精緻な病の描写、脚本の無断使用に対する風刺、そして勢い任せのクライマックスなど読みどころは多い。「最後まで、決して、決して、夢を捨てないでください!」善意さえあればヒーローは誰だってなれる。プロットの破綻を補って余りある魅力を持った活力溢れるエンターテインメント。2018/01/24

kasim

22
笑いあり涙あり、個性の強い人物揃い、とディケンズらしさを堪能。一般的には評価が低いらしく、確かに粗いが、充分面白かった。スマイクはあんまりだ、可哀想すぎる。ノッグズとラ・クリービー嬢が大好き。そして私には、どこかぞくりとする鋭さや恐さが棘のようにあるのもディケンズの魅力。この作品では決闘に向かうフレデリック男爵やラルフの最期の章の迫力が心に残る。読みにくい訳だったが、解説はとても面白かった。ただし、役者のモチーフをラルフにまで拡大するのは賛成できない。2018/01/13

ゆーかり

15
頼りにしていた伯父は冷酷で腹黒く、ニコラスの人生は波乱万丈。善人に悪人。恋に笑いに怒りに涙。ディケンズ作品ではおなじみの、スマイク、ノッグズ、クラムルズなど独特で愉快な登場人物たち(ニクルビー夫人はディケンズの母がモデル)。この作品は何度も映画化・舞台化もされており、本当は引き込まれるような楽しい作品のはずなのだ。本当に…どなたか別の方の翻訳を出して欲しい。2015/10/29

きりぱい

6
ショーネンジゴク学院て!ネイティブ風に読んだらあり?いやモロ少年地獄。そんな手荒そうな場所に助手として追いやられたのは、父を亡くし母と妹と三人、文無しで伯父を頼って来たニコラス・二クルビー。少年どころか先生地獄に激昂して飛び出し、害はないけど自惚れ屋の母を筆頭に、道化風でイカすノッグズ、哀れなスマイクなど、プラスにもマイナスにも魅力あるキャラを加えてゆき物語は乗り出す。ディケンズ作品では失敗作ともいわれているそうだけど、面白かった。ひとつの真実の後に更に衝撃。鬼の目に涙も浮かばぬうちに、私の涙がダーッと。2011/06/24

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