目次
1 転型期日本と市民の問題性
2 日本における市民活動の出発
3 都市型社会の規範人間型
4 市民による政治現実の転型
5 マス・デモクラシーの多元・重層化
6 政治文化としての市民自治
7 「中進国」日本における市民成熟
著者等紹介
松下圭一[マツシタケイイチ]
法政大学名誉教授。1929年生まれ。福井県出身。元日本政治学会理事長、元日本公共政策学会会長。著書に『シビル・ミニマムの思想』(東京大学出版会、毎日出版文化賞)、『市民参加』(編著、東洋経済新報社、吉野作造賞)、『政策型思考と政治』(東京大学出版会、東畑精一賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
4
行政の不作為の数々、例えば、社保庁の宙に浮いた年金記録問題、官製談合、怠慢から来る独善性など(51頁)。自治のあり方が問われれる。個人自治というのが自治の基本とも理解される。また、グローカル時代においては、市民良識が重要ともわかる(84頁)。無駄遣いするぐらいなら、増税ではなく減税でいいのではないか? 市民の自立性と市民が集い、理想社会を築くという文化が平和を担保すると思う。しかし、ここに至る道筋は困難極まる。漸進的に豊かな市民社会の文化を醸成していく必要がある。2013/03/16
ハンギ
0
新左翼のイデオローグの1人、松下圭一による市民論の入門。過去に書いた論文の参照を求めてくるのが、ちょっとめんどくさい。市民という住民の視点から政治を変える事の可能性について論じており、また実際問題として2000年からの法律改正によって、ただの国の出先機関みたいな役割から自治体は、より自律した存在へと変わっているのだそうだ。国の借金がヤバい、という彼の視点は民主党に影響力を与えているのかもしれない。緊縮財政を目指す彼の姿勢には共感できないが、国際社会、国、自治体の三つの体制で考えるべき、という指摘はわかる。2012/12/23
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