内容説明
水滴が丸くなり、また、コップの水の上に10円硬貨を浮かべられるのは、ご存知、表面張力のなせるわざである。では、表面張力とは?それは分子どうしに働く弱い作用がその正体であり、分子間力といわれる。それが身の回りの現象のみならず、生体防御機構で重要な役目をする抗原・抗体にも関係してくる。分子が分子を見分けるのである。その他さまざまな分子間力を、発見の歴史をふまえて紹介。
目次
第1章 序論(表面張力;特効薬)
第2章 毛管現象と表面張力(ニュートンの時代;クレローとボスコヴィッチの時代;ヤングによる表面張力の定式化;ラプラスによる毛細管現象の定式化)
第3章 気体の状態方程式からファン・デル・ワールスの状態方程式へ(ボイル・シャルルの法則;ベルヌーイによる定式化;ファン・デル・ワールスの状態方程式)
第4章 分子間力の種(分子間力、その起源;クーロンの法則;分子間力と距離;分子間力を便宜的に分けてみる;電荷の配置による分類;分子間の大きさ)
第5章 分子認識化学へ(生体にとって重要な分子間力;遺伝の機構;免疫系;脳神経系;感覚系;酵素反応;なぜ砂糖は甘いのだろうか)
付録
著者等紹介
岡村和夫[オカムラカズオ]
1956年山口県に生まれる。埼玉大学理工学部生化学科卒業後、岡山大学大学院・九州大学大学院に進学。理学博士。日本学術振興会奨励研究員、国立精神・神経センター流動研究員(ポスドク)を経て、1988年生化学工業(株)入社。同社より2002年セントルイス大学Pediatric Research Instituteへ長期出張。現在、中央研究所勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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