出版社内容情報
身の回りを見渡すと、机、椅子などの家具、カップ、ノート、鉛筆、コンピュータなどがあり、これらは、紙や木やプラスチック、金属などいろいろな素材からできている。……手にすることのできる素材を数え上げれば、50000種類にも及ぶといわれている。
ところが、驚くことに、これら数多くの材料は、たかだか50種類程度の元素からなっている。全宇宙を眺めても、そこに存在する元素の数は100程度である。
元素を重量の小さいほうから順に並べていくと、ある周期にしたがって化学的性質のよく似た元素が現れる(周期表)。周期表は先端研究分野の研究者にとっては、格好のアイデア収集の場となっている。高温超伝導フィーバーは、まさに周期表が大活躍した時代であった。
いまだに、何か新しい機能材料が誕生したら、すぐに周期表を見て、そのまわりの元素で確かめてみるというのは常套手段である。周期表の歴史は古いが、現在の最先端研究においても燦然と輝く魅力と実用性をもっている。 (以上、本書「はじめに」より)
先端材料を探るための基本=元素を、徹底的に調べ上げ、まとめた。村上ゼミの成果であり、研究者必携の書である。
はじめに
第1章 原子の構造と周期律
1. 1. 原子の構造
1. 2. 電子軌道
1. 3. 電子のエネルギー準位
1. 4. 元素の周期表
1. 5. 短周期と長周期
1. 6. 金属元素と非金属元素
1. 7. まとめ
第2章 元素の分類と周期表
2. 1. アルカリ金属元素
2. 2. アルカリ土類金属元
2. 3. 12族元素
2. 4. 13族元素
2. 5. 14族元素
2. 6. 15族元素
2. 7. 16族元素
2. 8. ハロゲン元素
2. 9. 希ガス元素
2. 10. 遷移元素
2. 11. まとめ
第3章 元素の性質と単位
3. 1. 原子量
3. 2. 融点沸点
3. 3. 結晶構造
3. 4. 密度
3. 5. 抵抗率
3. 6. 磁化率
3. 7. 比熱
3. 8. 熱伝導率
3. 9. 原子半径
3. 10. クラーク数
3. 11. 同位体
3. 12. 同素体
3. 13. 音速
3. 14. モース硬度
第4章 元素の性質
第5章 元素名の発音
あとがき
100種類の元素も、もとをたどれば、陽子、中性子、電子のたった3種類の基本粒子から構成されている。つまり、これら3種類の粒子の組み合わせの違いで、これだけ多種多様な物質が構成されているのである。すべての物質が3個の基本粒子だけでできているという事実は何とも神秘的である。
ところで、物質を構成する基本要素である元素は、これら基本粒子が数を増やす過程で種類が増えていく。そして、その電子配置によって異なった化学的性質を形成していくことが知られている。しかも、その数が少し違っただけで性質は大きく変化する。例えば他の元素と反応しないため不活性元素と呼ばれているネオン(Ne)に、たった1個の電子が付与されただけで、ナトリウム(Na)という非常に活性な金属ができる。この劇的変化も不思議というしかない。
元素を重量の小さな方から順に並べていくと、ある周期にしたがって化学的性質のよく似た元素が現れる。この事実に最初に気づいたのはロシアの科学者のメンデレーエフ(D. L. Mendeleev)であった。彼の卓見は、単に元素を並べただけでなく、当時存在していなかった元素の存在を予言したという事実であろう。その後、彼の予言はつぎつぎと現実のものとなる
内容説明
先端材料を探るための基本=元素を、徹底的に調べ上げ、まとめた。村上ゼミの成果であり、研究者必携の書である。
目次
第1章 原子の構造と周期律(原子の構造;電子軌道;電子のエネルギー準位 ほか)
第2章 元素の分類と周期表(アルカリ金属元素;アルカリ土類金属元素;12族元素 ほか)
第3章 元素の性質と単位(原子量(atomic weight)
融点(melting point)、沸点(boiling point)
結晶構造(crystal structure) ほか)
第4章 元素の性質
第5章 元素名の発音
著者等紹介
村上雅人[ムラカミマサト]
芝浦工業大学教授。東京海洋大学客員教授。超電導工学研究所特別研究員
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