出版社内容情報
動物としてのヒトから「ひと」への心的過程を、フロイト、ピアジェ、ジェラール、ラカン、西田幾多朗らのテキストの新たな解説から浮き彫りにする。
内容説明
本書は、20世紀の人間観に大きな影響を与えてきたテキストを繙き、人類史のビッグバーンとしての心の誕生を再構成する。すなわち、動物的本能から考える心へと急変する、知的生命の創造の局面をシャルダンとローレンツから描き出す。また、知識の構築と、シンボルやメタファーが意識や言語に及ぼす根底的力を、フロイトやピアジェ、ジェラールのミメシス論から検証する。さらに、人と人との本源的関係性を、ラカンの鏡像論と西田幾多郎の歴史的身体論とを連ねて考察し、重層的かつスパイラルな人間化の現象を浮き彫りにする。
目次
第1部 考えるこころの誕生(世界は、ふたつの顔をもつ;人間の存在そのものが世界を反映する鏡である ほか)
第2部 精神の考古学(フロイトとピアジェの出会う場所;言語―無意識と意識をつなぐもの ほか)
第3部 作られたものから作るものへ(象徴的宇宙;ラカンの花瓶 ほか)