出版社内容情報
日本が世界に誇る化石=デスモスチルス。哺乳類の常識からは程遠く、復元は難行をきわめた。十数年に及ぶ解読の足跡を披露する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gachin
1
今読んでも、比較形態学・機能形態学的な強力なグルーヴを発してるので、出版当時は凄まじく輝いていた本なんじゃないかと思う。ピースがカチっとハマるような、推理モノ(読んだことないけど)みたいな気持ち良さがあった。本書を読んで、改めて某氏は著者の影響を受けていることが分かる。本トピックについてその後の研究状況が知りたい。2019/06/01
Bon Voyage
1
PCやCTスキャンなど現代の高性能な機械を用いたアプローチではなく、古典的な観察によってデスモスチルスの真実を解き明かそうとしたことには感服。 当時は本当に不思議な生き物だと思われたんだろう。 あーでもない、こーでもないと骨や化石との対話は途方もない。 しかし、そこにロマンがあるんだろう。2016/10/05
Tatsuya
0
デスモスチルスをはじめとする束柱類が発見されて以来の復元に関する考察の歴史や、著者が実際にデスモスチルスを復元する際に分析した骨や体組織の詳細などを詳しく解説している。古脊椎動物を復元する、ということはどういう作業なのか、ということを知るための本としてもとても勉強になった。2012/09/23