内容説明
なぜ、近代にまで「部落」が残ったのか。その最大の難問にいどむ、待望の完結編。19世紀の100年間を縦糸に、県下旧5カ国での出来事を横糸にして、近代部落差別の創出されている過程を追う。
目次
第1章 結合する地域と賤民排除(播州郡中取締り体制の成立;西摂諸郡と非人・非人番;但馬地主制の展開と皮田村)
第2章 皮田身分の抵抗と運動(村政の基本路線をめぐる闘い;在地賤民構造の根源を穿つ闘い)
第3章 近世賤民像の変容(地域比重を高める皮田村;幕末激動期の地域と皮田;瀰漫する「七分の一命」伝説―美嚢蓮花働動の背景;皮田の自己認識と世界像)
第4章 賤民廃称の布告前後(「賤民廃称令」の布告;差別撤廃の大旆を掲げて;「諸稼ぎ売買破談不通」取極め;播但農民一揆と山崎騒動)