内容説明
厳しい職人の世界に飛び込んだ女性たち。つらい修業も力仕事もいとわない。自分なりの工夫をこらし、独自の表現も追求する、女性職人36人の潔い生き方。
目次
女性職人の先駆けとしての誇り―東京染小紋・岩下江美佳
伝統の技と心で、私だけの世界を描く―九谷焼・織田恵美
子育てを通じて自分自身が磨かれる―甲州水晶貴石細工・土屋典子
無心に機を織り、心身ともに“土地の人間”に―越後上布・中島律子
本当に作りたいものは何か、追求し続ける―山中漆器・山田真子
手をかけた成果が、目に見えるうれしさ―江戸切子・小川郁子
金属でも、温かいアクセサリーを作りたい―加賀象嵌・長谷川真希
伝統柄でなく、新しいモチーフに挑戦―東京手描友禅・佐野静香
明治時代の華麗な技を蘇らせたい―芝山細工・具嶋直子・松本香
ひと針、ひと針に思いを込めて創り出す世界―加賀繍・宮越仁美〔ほか〕
著者等紹介
関根由子[セキネヨシコ]
1946年、東京生まれ。1969年、日本女子大学社会福祉学科卒業。地方新聞社へ家庭欄の記事を配信する通信社の代表を務める。長年、各地の女性職人たちへの取材を続けるかたわら、日本文化をもっと再認識し、より楽しむための活動を主宰し、講座、展示会などの企画を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
16
オールカラー。女性ならではの繊細なデザインも伝統工芸の新たな魅力を創っている。目の保養、とは勘違いされるが、本当に美しい作品が並ぶので、おススメである。長崎の波佐見焼は初めてみた(49頁写真)。形も色も多彩で豆皿の魅力を醸し出す。それにしても、外国人観光客にはこうした女性たちの作業場にも訪れてほしいのである。東京五輪に浮かれている一方で、地道で、かつ、手仕事の細かい作業を観光してもらいたいと思う。物によっては、極めて泥臭い、男性的な職場にも見えるが、そうした苦労あってこその工芸品なのだと実感。女は強し。2013/10/14