内容説明
コニー・ラモスは、無学で貧しい三十代半ばのチカーナ(メキシコ系女性)。夫を殺され、子供も取り上げられ、ニューヨークでドン底の日々を送る。謀られて精神科病棟に収容されるが、同時に未来へタイム・トラベルできるようになる。2137年の未来の国マタポイセットは、高度に科学技術が発展しているのに大気汚染も女性差別もない、喜びに満ちた共同体。だがもうひとつの未来は、戦争とサイボーグがはびこる恐ろしい全体主義の世界。果たして未来は、ユートピアか?ディストピアか?鍵を握るのは、二つの未来を知るコニーだけだ。しかし、彼女には大脳矯正手術が待っていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
N田
6
思わせぶりなインチキ解説文に騙されて、古い本と知らずに読んでしまった。環境原理主義はどう進歩しても根本の部分でサイエンス無理解から始まっていることを実証している。マッドマックスで描かれるディストピアだ。2019/05/10
ヴィオラ
2
フェミニズムSFで触れられる事のある作品なので一応積んでたけど、まさかユートピア文学の流れで読むとは思わなかった(^_^;) ユートピアの描写がどうとかいうよりも、感想としては「もしかしたら、今僕が住んでいるこの世界は、女性にとっては結構ディストピアに近い世界なのかもしれないなぁ…」という所に落ち着きました。2013/11/30
生きることが苦手なフレンズ
0
2つの相争う未来があって、その両方がディストピア。 マタポイセットの芸術はPCの枠から抜け出せないプロパガンダだし、NYのはハリウッドとポルノの子孫みたいなのしかない。 作者的には前者が理想なのかもしれないが、畢竟、生きられないほど先の未来を描くことはディストピアを描くことに他ならないのではないか。2013/12/15