出版社内容情報
キルヒャーの独創的で夢幻的な業績の数々は、澁澤龍彦らに影響を与え続け、U・エーコに「全著作を所有するためならば全てを投げ打つ覚悟がある」とまで言われた。キルヒャーの奇怪な図像から、奔放な想像力の世界を再生したロングセラー。1986年の邦訳初版から、40年弱の時を経て図像を全面リマスター&20ページ増補!!
内容説明
ルネサンス最大の幻想科学者アタナシウス・キルヒャー。その独創的で夢幻的な業績の数々は、F・イエイツからU・エーコまで、ヨーロッパ知識人たちの間に巨大な影響を与え続けている。本書は失われた叡智を求めて綴られたキルヒャーの著作群に残された奇怪な図像の紹介を通じて、その奔放な想像力の世界を、現代に再生させる試みである。
目次
1 失われた知識の探求―ジョスリン・ゴドウィン(遅れてきたルネサンス人;綺想者の生涯;古代神学と比較宗教)
2 万物遊覧―ジョスリン・ゴドウィン(ノアの方舟;バベルの塔;ラティウム;中国;エジプトのオイディプス;音楽;普遍的魔術師;地下世界)
3 アタナシウス・キルヒャー頌(略伝と驚異博物館;『シナ図説』の想像力;三人のキルヒャリアン―キルヒャー自然学の継承)
著者等紹介
ゴドウィン,ジョスリン[ゴドウィン,ジョスリン] [Godwin,Joscelyn]
イギリス出身の音楽史家。アメリカに渡り、ニューヨーク州コルゲート大学の助教授をつとめていた。ピュタゴラス以来の音階的宇宙論への関心から、比較宗教学に接近
澁澤龍彦[シブサワタツヒコ]
1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没
中野美代子[ナカノミヨコ]
1933年、札幌に生まれる。北海道大学文学部を卒業、現在は同大学名誉教授。専攻は中国文学
荒俣宏[アラマタヒロシ]
1947年、東京に生まれる。慶応大学法学部卒業後、日魯漁業のコンピュータ・ルーム勤務を経て、著述活動に入る。幻想文学、博物学、神秘学などをテーマとして『理科系の文学誌』『大博物学時代』『本朝幻想文学縁起』『本読みまぼろし堂目録』(以上工作舎)『世界大博物図鑑』(平凡社)等、膨大な著作群がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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