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出版社内容情報
十二支の奇談を集めた『十二支妖異譚』を上梓して以来、安眠出来たことがない。狐、狸、鹿、熊など、十二支の選から漏れた動物たちが、夜な夜な、入れ代わり立ち代わり夢枕に現れて、「十二支ばかりにいい顔をして、俺たちの話は書かないつもりか。それで済むと思うのか」と責めるからだ。十二支になれなかった動物たちの怪異譚も、時に愉しく、時に哀しい。
内容説明
十二支ばかりがなぜ偉い。芸達者なら、タヌキやキツネ。強面(こわもて)するのは、クマにオオカミ、シシにヒョウ。淑女は、やっぱりネコが好き。ゾウもクジラも、忘れちゃいけない。波乱万丈、奇妙奇天烈、夢の舞台の幕が開く。
目次
猫の章
里獣の章
蹄獣の章
海獣の章
飛獣の章
異獣の章
著者等紹介
福井栄一[フクイエイイチ]
上方文化評論家。1966年、大阪府吹田市生まれ。京都大学法学部卒。京都大学大学院法学研究科修了。法学修士。四條畷学園大学看護学部客員教授、京都ノートルダム女子大学人間文化学部非常勤講師、関西大学社会学部非常勤講師。朝日関西スクェア・大阪京大クラブ会員。上方の芸能や歴史文化に関する講演、評論、テレビ・ラジオ出演など多数。剣道二段(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルピニア
53
百を超える出典(巻末に一覧有り)から引用された十二支以外の動物の怪異譚。装丁や挿絵も楽しめる。400頁超のボリュームに圧倒されたが、それぞれの話は短く、数行から長いものでも4頁ほど。圧倒的に多いのは、猫、狐、狸。人間の生活に近い存在だったことがうかがわれる。それに狼、熊、鹿が続く。珍しいものでは、人魚、駱駝など。これまで読んだ話に似たものも多かったが、狐が人に憑かれる話は興味深く、心に残った。順序が逆になったが、「十二支妖異譚」も読みたい。2023/05/13
ポチ
49
十二支以外の動物達の怪異譚。説話や随筆、その他…。こんなにもあるのかと驚きと共に楽しく読了。猫、狐、たぬきの話はやはり多かった。2023/03/19
あたびー
44
十二支に含まれなかった動物たちのおウワサを古典から拾い上げて紹介してくださっている楽しい本。ひとつひとつが超短いのでナイトキャップに最適です。最も頁数を割かれているのは狐と狸。これ程怪談ネタを提供する動物は他にはネコチャンくらいでしょうか。馴染み深く、身近でもあり、多くの物語(実話怪談?)が生まれています。あまり見る機会のない海獣(人魚含む)に関しては、昔の人の誤解は「オイオイ…😅」と言いたくなる記述が多いですが、それでも好奇心満々の日本人には脱帽です。あと、ノンブルがみそフォントぽいのが可愛い。2023/03/11
Die-Go
43
図書館本。十二支に選ばれなかった動物は数知れず。 その中でも妖異譚を豊富に持つものを厳選して集話。なかなかに面白かった。★★★★☆2023/02/17
かおりんご
34
十二支に入らなかった動物たちの怪異譚。やはり、狐狸な話が多い。あと、猫!今回も興味深く拝読しました。2023/05/30