分節幻想―動物のボディプランの起源をめぐる科学思想史

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分節幻想―動物のボディプランの起源をめぐる科学思想史

  • 倉谷 滋【著】
  • 価格 ¥9,900(本体¥9,000)
  • 工作舎(2016/11発売)
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  • サイズ A5判/ページ数 861p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784875024781
  • NDC分類 481.17
  • Cコード C1045

出版社内容情報

90年代に誕生した「進化発生学」の観点から、分節をめぐる学者の探求を辿り、動物形態の起源と進化、自然への眼差しの変遷に迫る。ヒトが属する脊椎動物は、頭の分節性を特徴としており、多くの生物学者が200年以上にわたり解明に挑んできた。しかし、頭部分節という考え自体が、「幻想」として生み出されたものであった。90年代に誕生した「進化発生学」の観点から、分節をめぐる学者たちの探求をたどり、動物形態の起源と進化、自然への眼差しの変遷に迫る。脊椎動物とは、われわれとは何ものか? 「アタマの起源」を探る、刺激的な一書。

第1章 観念論の時代
 ◆ゲーテからオーウェンへ
 ◆オーウェン
 ◆原型と相同性、グレードとクレード

第2章 比較発生学と比較解剖学の時代
 ◆先験論的比較発生学
 ◆頭部分節の否定、そして「前成頭蓋発生学」の誕生
 ◆分節の起源
 ◆ヘッケル
 ◆ゲーゲンバウアーと比較解剖学
 ◆バルフォーと頭部分節
 ◆ヴァン=ヴィージェ
 ◆プラットの小胞と頭部分節の数
 ◆フロリープ
 ◆ガウプと軟骨頭蓋の比較解剖学
 ◆後頭骨のホメオティックシフト
 ◆鰓と頭腔
 ◆グッドリッチと頭部分節説の二〇世紀的結論
 ◆誰が分節論者か?

第3章 もう一つの流れ、神経系の分節理論
 ◆神経分節と頭部分節性
 ◆神経分節
 ◆ジョンストン
 ◆ニールと神経分節
 ◆ベルグクイストと多角形モデル
 ◆二〇世紀末のロンボメア論争
 ◆もう一つの前脳モデル

第4章 グッドリッチ以降
 ◆円口類の位置と意義
 ◆ド=ビアと前成頭蓋博物館
 ◆ゼヴェルツォッフの系統進化的ヴィジョン
 ◆アリスと梁軟骨
 ◆ポルトマンと頭蓋の一次構築プラン
 ◆ジョリー
 ◆ローマ―と二重分節説?
 ◆スウェーデン学派
 ◆形態学の暗黒時代とソミトメアの夢
 ◆頭腔と頭部中胚葉の分節性
 ◆遺伝子発現

第5章 実験発生学の時代
 ◆個体発生プロセスとボディプラン理解
 ◆形態発生的拘束と分節性
 ◆脊椎動物の頭部分節性を発生機構的に見直す
 ◆頭部神経堤細胞をめぐる実験発生学と頭部分節性
 ◆皮骨頭蓋の謎

第6章 進化発生学の興隆
 ◆進化発生学とは何か
 ◆現代進化発生学批判試論
 ◆脊椎動物の起源という問題意識
 ◆ガンスとノースカットと「新しい頭」
 ◆ナメクジウオとの比較
 ◆半索動物
 ◆背腹反転
 ◆そして、脊索は
 ◆進化を遡る
 ◆幻想としてのウルバイラテリア
 ◆類似した分節
 ◆脊椎動物の作り方に関する謎
 ◆祖先的胚形態
 ◆残された問題
 ◆相同性をめぐる考察、再び
 ◆結語

追補――試論
 ◆序
 ◆円環としての相同性
 ◆要約と結論

倉谷滋[クラタニシゲル]
1958年、大阪府出身。京都大学大学院博士課程修了、理学博士。米国留学後、熊本大学医学助教授、岡山大学理学部教授を経て、現在、理化学研究所主任研究員。主な研究テーマは、「脊椎動物頭部の起源と進化」、「カメの甲をもたらした発生プログラムの進化」、など。単訳書、ブライアン・K・ホール『進化発生学』(工作舎2001年刊)は、高額ながら話題書となり、たちまち品切となった。

内容説明

脊椎動物とは何か?頭とは何か?われわれは何ものか?アタマの起源。

目次

第1章 観念論の時代
第2章 比較発生学と比較解剖学の時代―比較発生学の興隆からグッドリッチまで
第3章 もう一つの流れ、神経系の分節理論
第4章 グッドリッチ以降―混迷の時代
第5章 実験発生学の時代
第6章 進化発生学の興隆
追補 試論―形態的相同性を記述するための、網目状円環モデル化の試み

著者等紹介

倉谷滋[クラタニシゲル]
1958年、大阪府出身。京都大学大学院博士課程修了、理学博士。米国ジョージア大学、ベイラー医科大学への留学の後、熊本大学医学助教授、岡山大学理学部教授を経て、現在、理化学研究所主任研究員。主な研究テーマは、「脊椎動物頭部の起源と進化」、「カメの甲をもたらした発生プログラムの進化」、「脊椎動物筋骨格系の進化」など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Gokkey

12
ジャバラを見てなるほど蛇腹だと感じる有機的な匂い。節足動物に象徴されるように体の繰り返し構造(分節性)は広く動物界に見られる基本的な体制(ボディプラン)だ。翻ってヒトを含む脊椎動物はどうか?胴体には脊椎骨があり、それに対応するように一対の脊髄神経がある。では頭はどうか?頭蓋骨も脳神経も本来分節性を持っており、それぞれ脊椎と脊髄神経の変形と見なせるのではないか?だとすると脊椎動物の祖先はどんな生物なのか?頭部の分節性の痕跡を何とかして見つけようとした形態学者や発生学者の試みと最近の知見を包括的に描き出す。2020/10/23

roughfractus02

7
博物学に発し、発生から成長を形成・転成で記述する学として出発した形態学は、進化論と分子生物学を経て進化発生学に変容した。本書はその歴史を、原型や反復説の限界や、分子遺伝学的な還元主義や比較発生学的な構造主義の功罪を辿り、異なるレベルのロジック(ボティプラン/全体と細胞/部分)が創発する複雑系科学へと向かう現代へと辿る(発生システム浮動)。形態学のテーマである頭部分節を中心として展開する本書だが、相同性概念を揺るがす発生制御の遺伝子群の発見を念頭におくと、学の変容のおおよそも見えやすい(巻末「試論」参照)。2021/08/26

Ryosuke Tanaka

1
EvoDevoの勉強がしたかったのとゴジラ本を書いているのを知っていたので「思想史」と思って手にとったが、想像以上に学説史部分の目が細かく、形態学と発生学がひとしきりわかっていない自分には中盤はかなり歯が立たなかった。最後の相同性の議論や「円環」の図が示すように、ミクロとマクロの現象が密に相互作用する(=モジュラーな理論化が難しい)発生の研究は大変だと思った。2022/06/04

takao

1
ふむ2021/10/21

gachin

1
頭部分節説の総説。記号論的比較解剖学の話が続くので概念的には実はそこまで複雑ではない(ただし私が他人事として話半分に読んだ限りにおいて)。最後の試論で相同性を定量化する試みには血が騒いだ。一見無謀に見えることをやる・新しいことを試みる姿勢には尊敬の念を禁じ得ない。

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