内容説明
新劇から男の芸とされてきた講談の世界に飛び込み、パパン、パンと修羅場読みに精進しつづけて三十余年。「口跡よし、声の伸びよし、抑揚よし」と馬琴師匠に背中を押され、女で初の芸術祭賞受賞、「女流講釈師花の十二人」のひとりとしてCD発売…。講談をめぐる喜怒哀楽、綺羅星のような方々とのご縁、史跡探訪、世相寸評など張扇さながらのリズムにのせた痛快エッセイ集。
目次
琴嶺駆歩記 疾風の巻(元気を出そうよ女たち;黒石から能登半島へ;芸術祭賞受賞式 ほか)
すばらしきご縁(鈴木喜代春先生;岡本文弥師匠;村山知義先生 ほか)
琴嶺駆歩記 怒濤の巻(熊野古道・中辺路;佐倉義民伝;心に屏風を立てる ほか)
琴嶺十二種(宇治川先陣争い;那須与一扇の的;佐馬之介湖水乗っ切り ほか)
著者等紹介
宝井琴嶺[タカライキンレイ]
本名:塚田善子。1938年、東京市滝野川区で生まれた後、青森県黒石市へ疎開。高校卒業後、上京して村山知義主宰の東京芸術座などで女優として舞台を踏む。1979年、六代目宝井馬琴(当時琴鶴)に弟子入りし、修羅場読み修行を重ねるかたわら、翌年より「山本安英の会」朗読グループ参加。木下順二はじめ多士済々の人士に触発されながら舌耕芸を磨き、1990年、真打となる。1993年、女流講釈師初の文化庁芸術祭賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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